“VB.NET移行をAIで爆速化”した千葉銀行GのIT企業 「12.5人月→2.0人月」をどう実現?:自社開発の生成AIシステムと「Devin」を活用
ちばぎんコンピューターサービスはAI駆動開発の仕組みを構築し、既存のVB.NETシステムのマイグレーション工数を12.5人月から2.0人月に削減した。どう実現したのか。
千葉銀行グループのIT企業、ちばぎんコンピューターサービス(以下、ちばぎんCS)は、システム開発のプロセスにAIを組み込む「AI駆動開発」の仕組みを構築した。ちばぎんCSが自社開発する生成AI活用システム「C-chatSupport」と、AIベンダーCognition AIのソフトウェア開発用AIエージェント「Devin」を組み合わせた仕組みだ。
企業の間では、デジタル化の進展に伴ってシステム開発や改修のニーズが広がっている。これらの推進を妨げるのが、エンジニアの不足や、レガシーシステムを使い続けることによる技術的負債の蓄積だ。ちばぎんCSは、こうした課題の解消に向けてシステム開発プロセスの見直しを進めており、その一環としてAI駆動開発の仕組みを構築した。
VB.NETシステムのマイグレーションをAIで“爆速化” その内容とは
ちばぎんCSは今回構築した仕組みについて、新規システム開発と、「Visual Basic .NET」(以下、VB.NET)で構築した既存システムのマイグレーションという、性質の異なる2案件で効果を検証した。その結果、従来の開発手法と比べて工数を大幅に削減できたという。具体的なAI駆動開発の内容と、その効果(図)を整理する。
今回検証した新規システム開発案件では、AI駆動開発の導入を支援するDeNA AI Linkが、開発初期に共通機能や開発環境の整備を支援した。その上で、ちばぎんCSはDevinに個別機能のプログラム実装を担わせ、エンジニアがレビューや仕様判断に注力する開発体制を整備。C-chatSupportを使った知識検索やドキュメント参照も開発フローに組み込んだ。結果として、従来の開発手法では4.0人月になると見積もっていた工数を1.5人月に削減し、原価を57.8%削減した。
VB.NETシステムのモダナイゼーション案件では、VB.NET特有の仕様やライブラリの存在により、他のプログラミング言語への単純な変換が難しく、工数やコストが膨らみがちだった。DeNA AI Linkは事前にこうした技術的課題を整理した上で、ソースコード変換をDevinに担わせ、仕様や実装方針の比較検討にC-chatSupportも活用した。その結果、従来の開発手法では12.5人月を要すると見積もっていた工数を2.0人月に縮小し、原価を81.6%削減できた。
AI駆動開発の全社展開を見据える
ちばぎんCSは今回の検証で蓄積したノウハウを基に、AI駆動開発の全社展開に向けた標準化を進める。DevinとC-chatSupportを組み合わせた開発手順を整理する他、どのような開発案件にAI駆動開発を適用できるかも検討する。品質管理ルールも整備し、組織全体でAI駆動開発を進めやすくする考えだ。
DeNA AI Linkは、今回の取り組みで得た知見を基に、金融機関やIT企業におけるAI駆動開発支援を拡大する。同社はこの取り組みを2026年4月7日に発表した。
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