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猛暑の中、30秒に1件の注文をどうさばく?――“海の家”が最適なIT活用の実証実験場である理由“海の家×IT”が生み出す価値とは(2/3 ページ)

海に行くと、さまざまなIT企業の“のぼり”が増えている。なぜなのか。2013年から海の家を運営しているセカンドファクトリーに、その理由を聞いた。

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5年目を迎えるSkyDream Shonan Beach Loungeの取り組み

 そして、2017年で5年目を迎えるSkyDream Shonan Beach Loungeでは、「地方連携」と「IoT」をテーマに掲げ、協賛パートナーとともに、今までにない新たな取り組みにチャレンジしている。

協賛パートナー

 まず地方連携では、セカンドファクトリーグループが運営する徳島県鳴門市の複合型6次産業化支援施設「THE NARUTO BASE」との連携によって、産地即加工した食材を海の家で調理して提供する。

 「首都圏に出回っていない希少豚『阿波の金時豚』や水揚げ直後のカツオなど、現地の食材を急速冷凍して海の家に届け、調理の仕上げをキッチンで行うことで、新鮮な味わいを海の家で再現している。これだけクオリティーの高いメニューを提供できている海の家は、他にはないと自負している。実際に、食事をするために『SkyDream Shonan Beach Lounge』を利用する顧客は多い」


SkyDream Shonan Beach Loungeで提供されている料理

キャッシュレスでアプリレスな注文システム

 一方、フルクラウドの業務システムを導入するとともに、2017年は新たに顧客向けのサービスを充実。店内にフリーWi-Fiを展開した。さらに顧客自身のスマホをオーダー端末として使い、席にいながらメニューを注文して、その場でキャッシュレス決済まで完了できる仕組み「モバイルオーダー&ペイメント」の実証実験を行っている。これは、NFC対応のスマートフォンで机にあるプレートにかざすか、スマートフォンでQRコードを読み込むとSkyDream Shonan Beach Loungeのランディングページにアクセスでき、専用のアプリをインストールすることなく、メニューを注文できるという。

モバイルオーダー&ペイメントのプレートと注文の画面

IoTを活用した「人流解析」と「注文データ」の相関分析

 さらに2017年は、店舗オペレーションにおけるIoT活用も進化させており、店舗の入り口にカメラを設置し、顧客の入退店時間をカウントすると同時に、画像認識で性別や年齢を判別し、顧客属性別の滞留時間を分析。また店舗内に設置したカメラでは、座席の状況を確認することで、店内の人流分析を行っている。そして、これらの顧客情報と売り上げデータ、さらには天気予報などとの相関関係を分析することにより、メニュー構成やスタッフ配置などの最適化を図る取り組みにもチャレンジしているという。

IoTを活用した海の家の取り組みにさまざまな企業が賛同

 同社では2017年、こうしたIoTを活用した海の家でのチャレンジ活動を「大人の自由研究」と位置付けており、この取り組みに賛同した多くの企業が共創パートナーとして参画している。2017年の共創パートナーと提供製品・サービスは以下の通り(7月1日時点)。

  • 日本マイクロソフト「Microsoft Azure」「Microsoft Surface」
  • ウフル「IoT Platform eneblar」
  • レノボ・ジャパン「Lenovo TAB 3 10 Business」
  • ワンビ「OneBe UNO」
  • ウイングアーク1st「MotionBoard Cloud」
  • ジール「データ解析プラットフォーム」
  • アーティサン「カラー電子ペーパー掲示板」
  • 明成通信「店内FreeWi-Fiインフラ」
  • アクアビットスパイラルズ「SmartPlate」
  • GMO TECH「アップカプセル」
  • 日本ヒューレット・パッカード「ElitePad 1000 G2 Rugged Tablet」「Elite x3」
  • セラク「みどりクラウド」
  • TDモバイル「Safie」
  • トレタ「TORETA」
  • ユニアデックス「人流解析ソリューション」
  • セイコーエプソン「キッチンプリンター」
  • ソラコム「SORACOM Air」

トイレ掃除の効率化を実現するIoT

 また過去には、2016年にはトイレの空き状況を知らせるサービスを提供していたという。これには顧客向けのサービスというだけではなく、トイレ掃除の業務効率化という側面もあったという。つまり、IoTを活用した飲食店の働き方改革にも取り組んだのだ。

 「飲食店舗の多くは、決められた時間にトイレ掃除を行っている。しかしこのやり方は、実は効率的とはいえない。同じ1時間でも、利用者の数によってトイレの汚れ具合は異なり、誰も使っていなければ掃除をする必要はない。そこで、トイレが使われた回数をカウントし、回数に応じてアラートを通知することで、トイレを効率的に掃除できるようにした」

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