社会人および学生が対象――日本IBMと金沢工業大学、AI人材育成プログラムを開講:2018年春から開講
金沢工業大学は、AI人材育成のための社会人向け教育コース「AI ビジネスエンジニアリングプログラム」を同大学の虎ノ門大学院で2018年春に開講する。日本IBMが教育用コンテンツを開発する他、専門性の高い講師を派遣する。
金沢工業大学は2017年12月14日、日本IBMの協力を受け、AI(人工知能)人材育成を目的とした社会人向け教育コース「AI ビジネスエンジニアリングプログラム」を同大学の虎ノ門大学院で2018年春に開講すると発表した。AI活用の需要が高まる産業界に向けて、即戦力となる人材の早期育成を目指す。同大学の学生も参加可能。日本IBMは、教育用コンテンツの開発や、専門性の高い講師の派遣を行う。
同コースは、日本IBMが「IBM Watson」関連事業を通して得た知見と、金沢工業大学の教育ノウハウを統合し、AI導入に必要なスキルを体系化して開発した。ビジネスと技術の両面からAIスキルの育成を図る。ビジネス課題を解決するためのAIプロジェクトの企画立案や、AI活用に関する法的課題、実際の導入事例を基にしたケーススタディーやディスカッション、最先端技術のハンズオンなどのメニューを用意する。
金沢工業大学では、2016年11月から、教職員による学生指導にIBM WatsonやIBM Watson Explorerを活用し、学生の自己成長を支援する「コグニティブ・キャンパス」の実現を進めてきた。こうしたコグニティブへの取り組みを背景に、新たに開講するコースでは、「AIの活用によって、より現実的な課題を解決できる人材を育成する」としている。
同大学では、次の4つのコースを開設し、各コース当たり2時間の授業を8回行う。
- 「AI基本コース」:AIの活用を検討するビジネスパーソンを対象にする。AIの技術動向や活用法、法的課題、プロジェクト実施時の考慮点などを学び、AI導入プロジェクトの企画立案能力の習得を目指す。
- 「AIビジネスコース」:企業のIT部門やエンジニアが対象。実際のAI事例を基にしたケーススタディーやディスカッションを通して、AI導入プロジェクトの提案書作成能力の習得を目指す。
- 「AI技術基礎コース」:Watson認定技術者試験の合格に必要な知識習得を目指す。AIビジネスコースと同様、企業のIT部門やエンジニアが対象。既存のAI技術を活用したアプリケーション構築をハンズオン型で学ぶ。
- 「AI技術上級コース」:エンジニアが対象。機械学習や深層学習に加え、AIが適用可能な領域や考慮点、限界点などを理解する。新たなAI製品のサービス開発に役立つスキルの習得を目指す。
金沢工業大学では、同コースのトライアル版を2018年2月と3月に開講する他、同コースの内容を大学生向けに改訂し、2019年度から大学1年生向けの選択科目として開設する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- パーソルテクノロジースタッフ、富士通総研と提携し「AIエンジニア育成プログラム」を開始
パーソルテクノロジースタッフは、富士通総研に技術系社員を派遣し、AIエンジニアとして育成した上で就業経験を積ませる「AIエンジニア育成プログラム」を開始する。 - 「AIエンジニア育成」に特化したオンライン家庭教師サービス「Aidemy」が開始
AIプログラミングに特化した技術を学べるオンライン学習サービス「Aidemy」が開始。GPU搭載仮想マシン環境を提供し、PythonとTensorFlowなどを利用したAIプログラミング技術を2カ月で学べる。 - ITとビジネス、両方見られる人材育成を――IDC Japan、国内IoT市場コグニティブ(AI)活用動向調査結果を発表
IDC Japanは、「IoTとコグニティブを組み合わせることで生み出される価値についての調査結果」を発表した。今後デジタルデータの生成量が急増し、それに伴ってIoTやコグニティブの活用が急拡大するという。