AIで英会話のレベル分析、効果的な学習を支援――英会話のGABAとNTTデータが実証実験へ
GABAとNTTデータは、AIを活用して英会話レッスン中の音声から学習レベルを分析し、効果的な学習に活用するための実証実験を行う。音声認識技術の活用による、効率的な英語学習の実現を目指す。
マンツーマン英会話スクールを運営するGABAは、NTTデータと共同で、2017年12月15日〜2018年3月31日の約4カ月間、AI(人工知能)による英会話のレベル分析を用いた英会話の学習方法に関する実証実験を実施する。
実証実験は、NTTデータ社内に開設したスクールで、英会話レベルの初級者と中級者を中心に希望者50人程度を対象に行われる。
受講者とインストラクターのレッスン中の会話を、NTTグループのAI関連技術「corevo」の音声解析技術を搭載した音声認識エンジンを通じて取得し、受講者の英会話のレベルを判定する。
この音声解析技術は、あらかじめ日本人の英語音声を認識するような調整と、GABAの教材を学習させており、受講者の発話をGABAの学習レベル別の単語リストに照らし合わせることで、受講者が新たに学習したと思われる単語やフレーズを抽出する仕組みだ。
実証実験では、英会話レッスン中の音声取得精度や、単語やフレーズの抽出、解析機能とともに、実際のレッスンへの適用可能性などについて検証をする。
GABAでは、従来は定量的な計測が難しかった受講者個々の語彙(ごい)力をAIで分析することで、受講者の効率的な学習に活用するとともに、より受講者のレベルに合った学習方法や教材を提案するなど、学習カウンセリングの精度向上を目指す考えだ。
また、両社は今後、実証実験の結果を既存サービスと連携させ、予習や復習にも活用可能な仕組みを構築することを目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NTTの音声合成ソフト、深層学習で自然な声を実現 ナレーションや書籍の読み上げに期待
NTTテクノクロスが、NTTのAI技術corevoを活用した音声合成ソフトウェア「FutureVoice Crayon」の新バージョンを発表した。DNNによる深層学習を活用した音声合成によって、自然で滑らかな音声を実現した。 - SIerが成長を続けるために必要なことは 好調、NTTデータ社長が語る神髄
業績好調のNTTデータが新たなグローバルビジョンを打ち出した。ITサービスベンダーとして「世界トップ5」入りを狙う。その原点には同社がこれまで培ってきた「SIer道」がありそうだ。 - オペレーターの代わりにbotが電話で自動応答――ドコモと電話放送局が開発
IVR(自動音声応答)システムと自然言語で対話できるbotを組み合わせ、コールセンターの利用者に音声を使った応答ができる対話システムを構築。一次対応や時間外対応などに活用できるという。 - ドラレコの映像から危険運転をAIで検知、NTT Comなどが実証
NTTコミュニケーションズと日本カーソリューションズは、ディープラーニングを活用し、一時停止違反など、交通違反につながるヒヤリハットを検知する技術を共同開発した。 - NTTドコモ、ディープラーニングでAI開発を効率化する基盤を実用化
NTTドコモが、複数台の開発サーバを自動で一括管理、制御し、短期間で精度の高いAI開発ができる基盤を実用化。法人向けAI開発サービスを加速する。