三井住友FG、Microsoft Azureで動くチャットbotをグループ各社に展開 照会応答業務を効率化
三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)は、「Microsoft Azure」上で動作する対話型自動応答システム(チャットbot)をグループ各社に展開する。先行導入した三井住友銀行で効果を確認できたことから、今回、SMBC日興証券とSMBCコンシューマーファイナンスから本格導入を開始する。
三井住友フィナンシャルグループ(三井住友FG)は2018年2月23日、日本マイクロソフトとの協業のもと、共同開発した対話型自動応答システム(チャットbot)をグループ各社に展開すると発表した。グループ全体での生産性向上と顧客サービスの向上を図る。
三井住友銀行と日本マイクロソフトは、パブリッククラウド「Microsoft Azure」上で動作する独自のシステムを開発し、2017年8月から行内システム環境に関する行内照会窓口にチャットbotを導入して、チャットbotによる自己解決率が90%を超えることを実証。2017年12月には人事関連の規程・手続照会窓口にも導入し、照会応答業務の迅速化や効率化などの効果を確認できたことから、今後、グループ各社への展開を推進する。
第1弾として、SMBC日興証券とSMBCコンシューマーファイナンスで、導入に向けたシステム開発に着手。SMBC日興証券ではシステム関連の社内照会窓口に、SMBCコンシューマーファイナンスでは顧客からの問い合わせ窓口にチャットbotを導入して、2018年度上期中の運用開始を予定している。
従来のAI(人工知能)では、学習データの事前準備や運用段階での追加登録といった人手による教育が必要で、特にシステム運用開始時点などは学習データ不足により期待する精度が得られないという課題があった。
今回開発したシステムでは、AI自身が学習データを生成し、自己学習するため、学習データ生成にかかる労力を軽減し、システムの利用開始時点から精度の高いAIを構築できるという。
また、運用開始後はAIが管理者に新たな知識登録を示唆する機能を開発したことで、AIの継続的な学習を効率的に短時間で行えるという。なお、これらの機能は、業務効率化を実現する発明として、三井住友銀行と日本マイクロソフトが共同で特許出願している。
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