コマンドやフラグを効率的に見つけられる――Google、「GCP」の新しい対話型CLI環境「gcloud interactive」を発表:既存コマンドの自動プロンプトやインラインヘルプ、bashの標準機能をサポート
Googleは、Google Cloud Platform(GCP)サービスの拡充に伴い、それらを操作する大量のコマンドやフラグを効率的に見つけて使える新しい対話型CLI環境「gcloud interactive」を発表した。
Googleは2018年3月9日(米国時間)、Google Cloud Platform(GCP)の新しい対話型CLI(コマンドラインインタフェース)環境「gcloud interactive」を発表した。GCPサービスの拡充に伴い、コマンドやフラグの数が飛躍的に増えてきたことから、これらを効率的に見つけて使えるように新環境を用意したとしている。
cloud interactiveは現在、パブリックα段階にある。Googleはこれまで「Google Cloud SDK」で、GCPを操作するための以下のようなコマンドラインツールを提供してきた。
- gcloud:GCPのプライマリーCLI
- gsutil:「Google Cloud Storage」を操作するCLI
- bq:「Google BigQuery」を操作するCLI
- kubectl:「Google Kubernetes Engine」のCLI
gcloud interactiveは、gcloud、gsutil、bq、kubectlのコマンドの自動プロンプトとインラインヘルプを提供する。「作業を中断して、ヘルプページでコマンド名、必要なフラグ、引数タイプを調べる必要がない。こうした全ての情報が対話型環境の一部として、タイプしながらその場で得られる」とGoogleは説明している。
gcloud interactiveは、以下のようなbashの標準機能もサポートしている
- gcloudコマンドとbashの標準コマンドの混在
- コマンド実行における「cd」や「pwd」といったコマンドの使用や、シェル変数の設定と使用
- バックグラウンドプロセスの実行と制御
- [Tab]キーによるシェル変数の補完
その他にも、コマンドの結果を変数に割り当て、後でこの変数を別のコマンドへの入力として呼び出すこともできる。
$ active_vms=$(gcloud compute instances list --format="value(NAME)" --filter="STATUS=RUNNING") $ echo $active_vms
また、対話型環境内でbashスクリプトを作成、実行することも可能だ。
例えば、次のスクリプトは、全てのコンピュートインスタンスをイテレート(順次処理)し、Terminateされたものを再起動する。
#!/bin/bash terminated_vms=$(gcloud compute instances list --format="value(NAME)" --filter="STATUS=terminated") for name in $terminated_vms do echo "Instance $name will restart." zone=$(gcloud compute instances list --format="value(ZONE)" --filter="NAME=$name") gcloud compute instances start $name --zone $zone done
gcloud interactiveを使うには
gcloud interactiveを使うには、「Google Cloud SDK」をインストールし、以下の手順に従う。
1.SDKのコンポーネントを更新し、最新の状態にする。
$ gcloud components update
2.gcloudのαコンポーネントをインストールする。
$ gcloud components install alpha
3.gcloud interactiveを起動する。
$ gcloud alpha interactive
オプションで、gsuti、bq、kubectlの対話モードを有効にすることができる(gcloudではデフォルトで有効)。この有効化には数分かかるかもしれないが、次のコマンドを1回実行すれば、すぐに有効にできる。
$ gcloud alpha interactive --update-cli-trees
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- GoogleのクラウドでもVisual Studioからいつも通りに使えるってホント?
Googleが提供する「Cloud SDK」と「Cloud Tools」を使うことで、Visual Studioを使っていつもの操作感でGoogleのクラウド環境を利用できるかを見てみよう。 - Google Cloud Platformにおける「オープン」の正確な意味を、サム・ラムジ氏に聞いた
Google Cloud Platformが単なるマーケティング活動の一環で「オープン」を唱えているのではないとすれば、どういう理由で、何を、どうオープンにしているか、それは他のパブリッククラウドとどう違うのか。その答えを求めて、Google Cloud プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのサム・ラムジ氏に、個別インタビューした。 - Google、GCPの大阪リージョンを2019年に開設
Googleは2018年2月8日、クラウドサービスGoogle Cloud Platform(以下、GCP)で、2019年に大阪GCPリージョンを開設することをブログで明らかにした。東京と同様、3つのゾーンで構成される。