いまさら聞けないMicrosoftのハイパーバイザー「Hyper-V」の概要:今だからこそ学び直すHyper-V再入門(1)
サーバ仮想化技術が企業システムで利用されるようになって20年以上が経過し、当たり前すぎてもはや誰も意識することはなくなりました。また、パブリッククラウド誕生から15年以上が経過した今日では、クラウドを扱うエンジニアは多数いるものの、オンプレミスの仮想化技術に関するノウハウが薄れつつあり、苦労している現場もあると聞いています。そこで本連載では、あらためてMicrosoftが提供する仮想化技術「Hyper-V」を学び直していきます。
Hyper-Vの歴史と特徴
ハードウェア仮想化(サーバ仮想化)技術の歴史は、それこそ1960年代までさかのぼることができます。企業システムにおけるx86アーキテクチャのハードウェア仮想化の歴史は、1998年のVMwareの誕生、翌1999年の初の商用ハードウェア仮想化製品「VMware Workstation 1.0」の提供から始まったといっても過言ではないでしょう。
それから幾つものベンダーがハードウェア仮想化技術を提供し始めました。Microsoftもその中の一社になります。
Microsoftが同社初のハードウェア仮想化製品「Microsoft Virtual Server」を2004年にリリースし、Windows Serverの標準機能として仮想化技術「Hyper-V」を搭載した初のWindows Server OS「Windows Server 2008」をリリースしたのは2008年でした。翌2009年登場の「Windows Server 2008 R2」でHyper-Vは「Hyper-V 2.0」となって大きな進化を遂げ、最新の「Windows Server 2025」に至るまで進化を続けています。
また、Hyper-VはWindows Serverのみの機能ではなく、2012年に提供が開始された「Windows 8」(ただしPro、Enterpriseに限る)では、「クライアントHyper-V」としてクライアントOSでもハードウェア仮想化技術が使えるようになりました。
クライアントOSでも使用可能なHyper-Vですが、その大きな特徴は以下の点といえます。
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