5G経由で工事用ロボットを遠隔制御 4Gの10倍の伝送速度――ソフトバンクと大成建設が共同実証
ソフトバンクと大成建設は、建設現場における省人化と建設機械の遠隔操作による作業効率化を目的に、5Gを活用した共同実験を実施した。現行の4G通信と比較して、建設機械の制御信号と高画質のカメラ映像を10倍の速度で伝送できることを確認したという。
ソフトバンクは2018年3月15日、大成建設と共同で、第5世代移動通信システム(5G)を活用した建設機械の遠隔操作などの共同実験を2018年1月に実施したと発表した。
この共同実験では、遠隔での建設機械の制御や安全監視などをリアルタイムで実施するため、5Gを活用した実験環境を設け、建設機械の制御信号と車載カメラ映像のデータ伝送試験を行った。
実験環境として、ソフトバンクの本社(東京都港区)にコントロール拠点を設け、5Gの実用化に向けた技術検証拠点である「5G×IoT Studio」の赤坂エリア(東京都港区)に工事現場を想定した実験局を設置。
大成建設が独自に開発した自律型建設機械(遠隔操作と自律制御が可能な工事用ロボット)の挙動シミュレーションシステムと、4Kカメラによる高精細画像を用いて、4Gと5Gの伝送速度と遅延値を比較した。
実験の結果、現行の4G通信と比較して、建設機械の制御信号と高画質のカメラ映像を10倍の伝送速度、かつ10分の1の遅延時間で通信できることを確認。5Gの活用により、遠隔からでもリアルタイムの建設現場の状況確認や、省人化につながる建設機械の制御や監視などが可能になるという。
両社は今後、作業性と通信安定性を高めた建設生産システムを実現し、5Gが商用化される2020年以降に建設現場に適用できるよう、2018年度から実際の建設機械を用いた本格的な実験に取り組む。2020年ごろまでには、実際の土木現場で複数の建設機械の自律的な作業による省人化や遠隔操作についての実証実験を予定している。
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