NEC、ロサンゼルス郡保安局に指紋、掌紋、顔、虹彩を組み合わせたマルチモーダル生体認証システムを提供
NECが、米国ロサンゼルス郡保安局(LASD)に、指紋、掌紋、顔、虹彩を組み合わせたマルチモーダル生体認証システムを提供。指紋や被疑者の確認など、犯罪捜査に活用される他、州司法省や米連邦捜査局(FBI)などのデータベースに接続するための生体認証システムとしても利用される。
NECの米国現地法人であるNECコーポレーション・オブ・アメリカは2018年3月29日、米国ロサンゼルス郡保安局(LASD)に、指紋、掌紋、顔、虹彩という複数の生体情報を活用して個人を識別する犯罪捜査向けマルチモーダル生体認証システムを提供したと発表した。
同システムは、LASD、ロサンゼルス市警察、その他ロサンゼルス郡の45の市警察で、事件現場で採取した指紋・掌紋の照合や、被疑者の本人確認などに活用されている。
また、カリフォルニア州司法省や米連邦捜査局(FBI)を含む州や連邦の多数のデータベースに接続するための生体認証システムの1つとしても利用されている。
同システムを用いて、事件現場で採取した遺留指紋を逮捕歴のある犯罪者指紋と照合した結果、稼働後最初の1週間で、2件の迷宮入り殺人事件を含む計107件の未解決事件の被疑者逮捕や事件解決に寄与し得る指紋の一致があったという。
NECは生体認証技術の開発を40年以上にわたり進めており、これまでに、生体認証製品群「Bio-IDiom」を活用したシステムを世界70カ国、700システム以上に導入。犯罪捜査、国民IDシステム、出入国管理といった国家セキュリティから、入退場管理、勤怠管理、PCのユーザー認証といった企業や個人向けセキュリティ、顔パス入場といった企業サービスの分野まで、幅広く活用されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- サングラス着用でも顔の照合が可能に――パナソニックのディープラーニングを活用した顔認証ソフト
パナソニックは新たな顔認証システム「FacePRO」を構成する「顔認証サーバソフトウェア」を発売する。角度がついた顔画像や、サングラスなどで一部が隠された画像でも照合可能。カメラで顔認証に最適な画像を狙って撮影し、必用な画像のみをサーバに転送する機能も開発した。 - 富士通、オールインワン型の手のひら静脈認証装置を発売 APIの実装で手のひら静脈認証の導入を容易に
富士通と富士通フロンテックは、小型の筐体にセンサーやOS、ミドルウェア、タッチパネルを搭載したオールインワン型の手のひら静脈認証装置「PalmSecure Connect」を発売。APIを利用してアプリケーションを開発することで、さまざまな業務システムへの手のひら静脈認証の導入が容易になるという。 - 指静脈からブロックチェーンの秘密鍵を生成する技術、日立が開発
生体情報から生成した電子署名をブロックチェーンの取引記録に付与できる技術を日立が開発。セキュアな取引を実現するという。 - 仮想デスクトップと入退場ゲートの認証を「手のひら静脈認証」に切り替え――富士通、社内活用を開始
富士通が、仮想デスクトップのログインと入退場ゲートの従業員証明認証に「手のひら静脈認証」を本格導入。セキュリティ強化や利便性向上を図るとともに、顧客向けソリューションへの拡大を図る。 - スマホで生体認証、業務システムへのアクセスを簡単セキュアに 富士通のFIDO認証ソリューション
富士通が、業務システムにアクセスする際に、スマホを生体認証デバイスとして利用し、FIDO認証を実現する機能を発表。「オンライン生体認証サービス」に新機能として提供する。