“RPA×コグニティブデータキャプチャー”で紙の設計図を電子化――荏原製作所がIBMの自動化ソリューションを導入
荏原製作所は、IBMのRPAソリューション「IBM Robotic Process Automation with Automation Anywhere(IBM RPA)」とデータキャプチャーソフト「IBM Datacap」を導入して、紙ベースで管理していた設計図面を電子化し、工場の生産効率向上と自動化を推進する。
日本IBMは2018年5月31日、荏原製作所が工場の生産効率向上と自動化を進めるため、業務プロセスの自動化と書類の電子化を支援するIBMの自動化ソリューションを採用したと発表した。
現在、経営計画の一環として自動化とロボット技術の導入を推進している荏原製作所は、今回、業務プロセスの自動化ソリューション「IBM Robotic Process Automation with Automation Anywhere(IBM RPA)」と、ビジネス文書を効率的に電子化するデータキャプチャーソフトウェア「IBM Datacap」を導入し、これまで紙ベースで管理していた設計図面の電子化とデータ抽出作業の自動化に取り組む。
IBM RPAは、米Automation Anywhere製のRPAツール「Automation Anywhere Enterprise」と、IBMのビジネスプロセス管理プラットフォーム「IBM Business Process Manager(IBM BPM)」を統合した業務自動化ソリューション。人が行うビジネスアプリケーションのGUI操作を、ソフトウェアロボット(bot)が実行する。特に反復タスク(データ抽出、データ転送、データ計算、データ入力など)で効果を発揮する。人とロボットの両方の作業を可視化して統合管理でき、業務全体にわたって業務プロセスの自動化や人員配置の最適化を図れるという。
IBM Datacapは、文書のキャプチャー、認識、分類を簡素化し、重要な情報の抽出を支援するデータキャプチャーソリューション。膨大な書類の処理や手作業による分類とデータ入力、目視検証、保管の手間など、ビジネス文書業務に関わる課題を解決する。
荏原製作所が導入する「IBM Datacap Insight Edition」は、コグニティブコンピューティング機能が組み込まれており、高度な画像処理、自然言語処理、機械学習のテクノロジーを併用し、非構造化情報も含めて文書の識別・分類・抽出を自動的に行えるという。
今回、荏原製作所が導入する新システムでは、大量の設計図面を電子化するに当たり、高速な読み取りができるIBM Datacapのデータキャプチャー技術と、データを取得するための前後処理、確認作業、データベース化などの作業を自動化するIBM RPAを連携させ、広範囲にわたるプロセスを自動化して、作業を効率化できるようにする。
これにより、画像検索ライブラリと図番テンプレート画像を利用して、設計図面画像の中から図番に相当する画像を抽出し、IBM Datacapを使用して、図番画像から図番文字列を読み取るといった作業を自動で行えるようになるという。
荏原製作所では、これまで日常的に紙の図面で進めていたワークフローを含めた業務プロセス全体の電子化と効率化を進めるとともに、自動化対象範囲をさらに広げていく予定としている。また、将来的には、コグニティブ技術を組み合わせて、電子化された図面データの類似検索の実用も検討を進める。
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