KDDI、センサー設置から故障予兆検知までをワンストップで提供する「KDDI IoTクラウド 〜工場パッケージ〜」を開始
KDDIは、センサーの設置からデータの可視化、故障予兆検知までをワンストップで提供する「KDDI IoTクラウド 〜工場パッケージ〜」の提供を開始。点検に関わる作業工数削減によるコスト削減や、設備故障の未然防止による生産性向上を支援する。
KDDIは2018年8月上旬から、工場の生産設備の状態を可視化し、故障予兆を検知するサービス「KDDI IoTクラウド 〜工場パッケージ〜」の提供を開始する。
同サービスは、工場内の装置にセンサーを取り付け、生産設備の状態をデータとして収集・分析することで、故障予兆の検知からアラート通知までをワンストップで提供するサービス。
また、ARISE analyticsが開発した故障予兆検知アプリケーション「ARISE Intelligent Factory - ARISE Predictive Maintenance」を利用することで、生産設備ごとの故障予知検知も可能になる。
センサーの選定や設置工事、回線手配から生産設備状態の可視化や分析まで、工場設備のIoT化はKDDIがサポートする。同サービスを利用することで、点検に関わる作業工数の削減によるコスト削減や、設備故障の未然防止による生産性向上といった効果を見込めるとしている。
提供するサービスは「基本セット」の他、ARISE Intelligent Factory - ARISE Predictive Maintenanceを利用した「簡易分析オプション」「高度分析(AI)オプション」を用意。
基本セットでは、センサーデータの収集・蓄積による生産設備の状態可視化と、閾値を超過した場合のアラートを通知する。
センサーは、「レベルセンサー(液体の水量を図るセンサー)」「流量センサー(配管を流れる液体の流量を図るセンサー)」「電流センサー」「温度センサー」「振動センサー」の5種類を利用でき、さまざまな状態を把握することができる。
簡易分析オプションでは、ARISE Intelligent Factory - ARISE Predictive Maintenanceの分析エンジンにより、センサーデータを基に分析モデルを自動作成する。複数作成された分析モデルの中から最適な分析モデルを担当者が選定しておくことで、その分析モデルで異常と判定された場合にはアラートを通知するため、設備の故障予兆を早期に発見できるようになる。
高度分析(AI)オプションでは、簡易分析オプションに加えて、自動作成された分析モデルをAIが継続して最適化。顧客のフィードバックを基に分析モデルを更新し、設備の故障予兆精度を向上させる。
利用料金(税別)は月額で、基本セットのセンサー類は、振動センサーが6400円/個、温度センサーが20円/メートル、電流センサーが600円/個、流量センサーが4400円/個、レベルセンサーが6700円/個。ロガーが5000円/個、クラウド使用料は1ID当たり5万円、1ロガー当たり3万円、保守料金は2万3120円。クラウド使用料は、基本セットの料金に加えて、簡易分析オプションでは1ID当たり5万円、1ロガー当たり同2万円、高度分析オプションでは、1ID当たり15万円、1ロガー当たり2万円。別途、設置に関わる初期費用や通信費用が必要。最低契約期間は2年。保守費用は、センサーの数や種類によって変動する。
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