Microsoft、「Azure Data Lake Storage Gen2」や「Azure IoT Edge」などのビッグデータやIoTを支援する最新ソリューションを発表:Azureのリージョンおよびアベイラビリティーゾーンも追加
Microsoftは、「Azure Data Lake Storage Gen2」のプレビュー版、「Azure Data Factory」の新機能と「Azure IoT Edge」の正式リリース、中国リージョンの追加、オランダのアベイラビリティーゾーンの正式リリースを発表した。
Microsoftは2018年6月27日(米国時間)、「Microsoft Azure」(以下、Azure)の幾つかの最新ソリューションの提供と、リージョンおよびアベイラビリティーゾーンの追加を発表した。
発表された内容は以下の通り。
- ビッグデータ分析のための高スケーラブル、高パフォーマンスで経済的なデータレイクソリューション「Azure Data Lake Storage Gen2」のプレビュー版
- クラウドベースのデータ統合サービス「Azure Data Factory」の新機能の正式提供開始
- クラウドインテリジェンスと分析をエッジデバイスにまで拡張するフルマネージドサービス「Azure IoT Edge」の正式提供開始
- 中国リージョンの追加
- オランダのアベイラビリティーゾーンの正式提供開始
Azure Data Lake Storage Gen2
プレビュー版が発表されたAzure Data Lake Storage Gen2は、極めて要求の厳しいワークロードで必要になる高いスケーラビリティ、パフォーマンス、セキュリティを提供する。「Azure Blob Storage」を基盤として構築されているため、全てのデータが1つのストアに共存できる。そのため、データから迅速に洞察を引き出すことができる他、経済的なコストで高いセキュリティを確保できる。
また、Azure Data Lake Storage Gen2は、非構造化データのオブジェクトデータとファイルデータにAzure Blob StorageおよびHDFS(Hadoop Distributed File System)プロトコルで、同時にアクセスできる統合データストアを提供する。
Azure Data Factory
正式提供が開始されたAzure Data Factory(ADF)の新機能は以下の通り。
- データパイプラインの作成、スケジューリング、管理を行うためのGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)
- 70以上のデータソースコネクターからのコードフリーのデータ取り込み:オンプレミスとクラウド間のデータ移動を高速化する
- 「SQL Server Integration Services」パッケージをAzureに簡単に移行し、ADFのマネージド実行環境で実行できる
- Azure Data Lake StorageのネイティブADFコネクターを利用して、大規模なデータレイクをロードできる
Azure IoT Edge
正式提供が開始されたAzure IoT Edgeは、AzureにおけるエンドツーエンドIoTアプリケーションの作成を支援するよう設計された、包括的な一連のサービスとソリューション。クラウドとエッジにおける一貫性を実現する。Azure IoT Edgeは、AI機能と機械学習をエッジで実行することで、極めて包括的かつ革新的なエッジサービスを提供できる。
Azure IoT Edgeは、多くの言語をサポートしており、その中にはC#、C、Node.js、Python、Javaも含まれている。Microsoftは、新たにコンテナ管理システム「Moby」もサポートし、さらに、数万のデバイスをゼロタッチでプロビジョニングできる「Device Provisioning Service」もリリースした。
またMicrosoftは同日、Azure IoT Edgeランタイムをオープンソース化し、GitHubで公開したことも明らかにした。これは、エッジソリューションの柔軟な管理に役立つ。
リージョンとアベイラビリティーゾーン
Microsoftは、Azureのグローバルインフラを拡充する取り組みの一環として、2つの中国リージョンの正式提供を開始する。またオランダのアベイラビリティーゾーンの正式提供も開始した。
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