Gartner、2026年の世界IT支出予測を「13.5%増」に上方修正 AI投資で広がる「分野間の成長差」:データセンター分野は55.8%増
Gartnerは、2026年の世界IT支出予測を発表した。AIインフラとソフトウェアへの投資の勢いが持続しており、データセンターシステム分野は最大の成長が見込まれる。
Gartnerは2026年4月22日(米国時間)、2026年の世界IT支出予測を発表した。IT製品/サービス全般にわたる1000社超のベンダーの売上データ分析や一次・二次調査を基に作成されている。
2026年のIT支出はAIインフラが成長の中心に
2026年の世界IT支出総額は、6兆3165億ドル(約1004兆円〈1ドル=159円の為替レートで換算〉、以下同)で、2025年比13.5%増になるとしている。同年2月3日に発表した前回予測(10.8%増、6兆1500億ドル〈約978兆円〉)からの上方修正となる。
Gartnerのジョン・デイヴィッド・ラブロック氏(ディスティングイッシュトVPアナリスト)は、「最新の予測結果は、AIインフラおよび先端メモリ分野の成長の勢いが加速していることを浮き彫りにしている」とした上で、「AIワークロードが拡大するにつれ、データセンター投資が急速に進み、高性能計算への需要が高まっている。この動きは、AI最適化プロセッサ、AIアクセラレーター、関連技術を提供する企業にとって大きな成長機会を生み出している」と述べている。
分野別では、データセンターシステムが2026年に前年比55.8%増と最大の成長を見せる。支出総額が最も大きいのはITサービス分野で、アプリケーションの導入やマネージドサービス、インフラの導入やマネージドサービス、IaaS(Infrastructure as a Service)などが含まれる。2026年には1兆8700億ドル(約297兆円)を超える見込みだ。
IT分野別の支出予測
2026年の主なIT分野別支出予測は次の通り。
- データセンターシステム:7880億ドル(約125兆円〈55.8%増〉)
- デバイス:8562億ドル(約136兆円〈8.2%増〉)
- ソフトウェア:1兆4436億ドル(約229兆円〈15.1%増〉)
- ITサービス:1兆8702億ドル(約297兆円〈9.0%増〉)
- 通信サービス:1兆3586億ドル(約216兆円〈4.8%増〉)
- IT全体:6兆3165億ドル(約1004兆円〈13.5%増〉)
ラブロック氏は「堅調な需要と供給制約が相まって、高帯域メモリ(HBM)では記録的な価格上昇が起きている。この急騰により、メモリセグメントは半導体メーカーにとって収益性の高い領域として位置付けられている。これらの動向を踏まえると、AIインフラはIT支出拡大の恩恵を最も受けやすい領域となっている」と述べている。
AIインフラ、ソフトウェア、デバイスが上方修正の要因
前回予測からの上方修正は、AIインフラ、ソフトウェア、IaaSの支出拡大が持続していることを反映したものだ。ハイパースケーラーによる調達やAI関連ソフトウェアの需要により、分野ごとに成長速度が異なる「マルチスピードIT市場」の様相が鮮明になっている。
ハイパースケールクラウドの需要はサーバとデータセンター投資の急増をけん引しており、データセンターシステム支出は2026年に7880億ドル(約125兆円)を超え、従来予測を大きく上回る成長率に達する見込みだ。ソフトウェア分野では、生成AIが突出した成長を生み続けており、特に生成AIモデル開発への支出は前年比で2倍を超える伸びになるとの予測も示された。
一方、デバイス支出は8562億ドル(約136兆円)に達する見込みだが、メモリコストの上昇により平均販売価格(ASP)が押し上げられ、利益率の低い価格帯のデバイス分野での買い替えサイクルが抑制されているため、他分野と比べて伸び率は低い。
ラブロック氏は「これらの動向は、AIインフラと生成AIソフトウェアが大幅な上方修正となる一方で、デバイス成長はコストと価格圧力を反映するなど、IT市場における分野間の成長差が拡大しつつあることを示すものだ」と述べている。
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