オープンガバメントツール「FixMyStreet Japan」で“街づくりのデータドリブン”を加速――NTTデータ経営研究所とダッピスタジオが協働推進
NTTデータ経営研究所は、ダッピスタジオと協働し、地域や街づくりにおけるデータドリブンマネジメントの推進に取り組む。スマホを活用して市民と行政が、地域や街の課題を共有、解決する仕組み「FixMyStreet Japan(まちもん)」の活用展開や効果測定を通して、取り組みを進める。
NTTデータ経営研究所は2018年7月5日、ダッピスタジオとの連携により「FixMyStreet Japan(愛称:まちもん)」の普及促進を通じて、地域や街づくりにおけるデータドリブンマネジメント(データに基づくマネジメント)を推進していくと発表した。
FixMyStreet Japanは、市民、自治体、地域団体などが協力し、道路の破損、落書き、街灯の故障、不法投棄といった地域や街の課題をスマホを使って共有、解決するための仕組み。専用のスマホアプリを使い、課題に気づいた市民が報告し、行政などが必要に応じた対応を行うことを目的としている。市民間での課題共有などにも活用される。
もともとは、地域の課題解決を目指すオープンデータ活用プラットフォームとして、2007年に英国のmySocietyが開発した「FixMyStreet」が発祥。その後、オープンガバメントを実現するツールとして、ノルウェー、カナダ、ニュージーランド、ブリュッセル(ベルギー)、チューリッヒ(スイス)など、世界各地に広がった。
日本では、英国のFixMyStreetに触発された札幌のダッピスタジオがフルスクラッチで開発し、2012年から運用を開始。2018年6月現在、13の市町(半田市、別府市、郡山市、生駒市、いわき市、熊谷市、安曇野市、渋川市、妙高市、仙台市、須賀川市、東浦町、湯沢市)で本運用中だ。FixMyStreet Japanの公式サイトには、全国から約6200件以上のレポートが投稿されている。投稿されたレポートを自治体職員やNPOなどの市民団体が管理する機能も開発され、実証実験が行われているという。
今回、NTTデータ経営研究所とダッピスタジオが協働し、FixMyStreet Japanの普及促進を通じて、公共インフラの管理、運用といった社会課題解決を支援するなど、地域・街づくりにおいて、データドリブンマネジメントを加速させる考え。
具体的には、NTTデータ経営研究所は「FixMyStreet Japanの活用方法の企画・立案」「FixMyStreet Japanを用いたデータ分析・レポーティング(地域固有のKPIの設定、KPIによる効果測定・効果検証、地域・街づくり関連の各種団体等へのフィードバック、FixMyStreet Japanの活用方法・KPIの設定・各種団体へのフィードバック)」などを行う。ダッピスタジオは、「FixMyStreet Japanのシステム開発、運用、サービス提供・販売」を担当する。
FixMyStreet Japanの適用応用分野としては、これまでに「地域の問題・課題の共有」「災害時の危機管理」への導入実績があるという。今後は、「公共インフラの管理・運用」「空き家・空き地の有効活用」「DMOによる観光地のマネジメント(国内/インバウンド)」「不法投棄、廃棄物の管理」「子どもの教育、健全育成」「街づくり・ワークショップイベントにおける活用などへの適用の可能性を検討する予定。
FixMyStreet Japanの導入対象としては、地方公共団体(市区町村)、エリアマネジメント団体(NPO法人、協議会など)、その他、公的な地域団体(観光DMO、商工会など)、不動産事業者などを想定しているという。
また、FixMyStreet Japanの普及・促進を通じて、データドリブンマネジメントに基づく社会課題解決に取り組むため、情報発信なども推進していくとしている。
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