仮想通貨「Coinhive」をどう考えればよいのか:セキュリティクラスタ まとめのまとめ 2018年6月版(2/3 ページ)
2018年6月のセキュリティクラスタは、「Coinhive」と「ルート証明書」に注目が集まりました。自サイトにCoinhiveを設置していた人物が書類送検された後、このような対応に対して警察や検察を非難するツイートが多くありました。もう一つの話題はルート証明書。銀行のWebサイトが行名の切り替えに当たり、ユーザーにルート証明書をインストールさせようとして、こちらもたたかれていました。6月最終週には「ZERO/ONE」編集長の岡本氏が刺殺されるという痛ましい事件が起こり、TLが悲しみに包まれました。
自サイトに「Coinhive」を設置した人が書類送検
2018年5月の高木浩光氏のツイートをきっかけとして、自分のサイトに仮想通貨のマイニングを行うスクリプト「Coinhive」を設置しただけで警察の捜査を受けた人がいるということが話題になりました。6月19日には設置していた人が本当に容疑者として書類送検されていたことが読売新聞の報道で明らかになりました。
Coinhiveを設置した5人のサイト運営者が不正指令電磁的記録に関する罪のうち、取得と保管(ウイルス共用や保管)の容疑で捜索を受け、略式起訴に至ったケースもあったようです。略式命令を受けた中の1人は、処分に納得できず正式裁判を要請し、裁判が行われることとなったようです。
実際に法に触れているかどうかは裁判の判決を待つしかありませんが、たくさんの意見がTwitterにツイートされました。ネット広告とCoinhiveは基本的には変わらないのに、どうして仮想通貨のマイニングだけがウイルス扱いされるのかと疑問視する意見が少なくありませんでした。
これまでは広告など新しいものがインターネットに登場した際、批判がありつつも少しずつ落としどころを見つけてサービスとして成立しました。今回は警察の意向だけで突然犯罪扱いされてしまうことに疑問を感じているツイートもありました。
議論が深まる中、今回捜査を受けたのはいずれも設置したCoinhiveを動かす際に閲覧者の許可を取っていなかったサイトだ、ということが判明します。許諾を得ているサイトの管理者は送検されていません。自衛のためにも、これからは仮想通貨を探索してもらう前に許諾を得るダイアログを表示するスクリプトを埋め込む必要がある、とのツイートもありました。
Coinhiveをサイトに埋め込んでいたユーザーからは、自分も犯罪者なのかというツイートがありました。
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