暗闇でも大丈夫、高所から俯瞰した映像でも個体識別や動体解析を可能、トライポッドワークスが映像解析サービス:ドローンとAIを活用
トライポッドワークスは映像解析サービスを強化し、ドローン映像や夜間映像にも対応させた。俯瞰した映像の解析や暗闇での個体識別の他、動体解析や色の認識、動画撮影が可能だ。
トライポッドワークスは2018年11月1日、同社が提供している個体識別や動体解析といった映像解析サービスを強化し、ドローン映像や夜間映像にも対応させると発表した。高所から俯瞰(ふかん)した映像の解析や、暗闇での個体識別や動体解析、色の認識や動画撮影が可能だという。
NTTコムウェアの「Deeptector」を映像認識用AI(人工知能)として採用し、ドローン分野ではイームズロボティックスと連携する。
さらに夜間の撮影にはキヤノンの超高感度多目的カメラ「ME20F-SH」を用いることで、目視では判別できないような暗闇(最低被写体照度0.0005ルクス以下。ISO感度400万相当)でも可視光による撮影を可能とした。夜間でも昼間と変わらない映像解析が可能だとしている。
トライポッドワークスは、これまで建設や農業、保育などの分野に向けて、定点カメラを使った個体識別や動体解析などの映像解析サービスを提供してきた。今回のサービス強化によって、広大な敷地や夜間作業など、幅広い利用ニーズに対応する。
例えば畜産分野に不可欠な頭数管理では、従来、人が高台などに登って目視で確認していた。管理頭数と実際に数えた頭数が異なった場合は、全ての牛の認証番号を確認する必要があるなど、業務負担の大きさにより細かな放牧管理ができないという課題があった。
これを解決する手法がドローンを使った上空からの確認だという。トライポッドワークスによれば、この手法は非常に有効でありながら、上空から撮影した映像に対する動物識別向けのAI学習データが存在しないため、頭数カウントや個体識別ができなかったという。
トライポッドワークスが今回強化した機能を利用すれば、ドローンによって上空から撮影した映像を基に頭数カウントや個体識別が可能になるとしている。
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