2022年のIPトラフィック、2017年比で3倍超の4.8ZBに成長――Ciscoが予測:動画などが85%以上を占める
Cisco Systemsはインターネットの成長について将来予測を発表した。2022年の年間IPトラフィック総量は、2017年の3倍以上の4.8ZBとなる。動画などが85%以上を占めるという。
Cisco Systems(Cisco)は2018年11月27日(米国時間)、2022年までのインターネットの規模予測をまとめた「Cisco Visual Networking Index(VNI): Forecast and Trends, 2017 - 2022」を発表した。
それによると、2022年には世界人口の60%がインターネットユーザーとなり、IPネットワークに接続されるデバイスと接続を合わせて280億個を超えるという。この接続数にはパーソナルデバイスや、IoTアプリケーションをサポートするマシン間(M2M)接続が含まれる。
動画視聴トラフィックが、IPトラフィック全体に占める割合は82%に達する見通しだ。2022年の年間IPトラフィック総量は4.8Z(ゼタ)Bとなり、インターネットが生まれた1984年から2016年末までのIPトラフィック累計(4.7ZB超)を上回るという。
Ciscoのシニアバイスプレジデント兼サービスプロバイダー事業担当ゼネラルマネジャーを務めるジョナサン・デービッドソン氏は次のように述べている。
「インターネットの規模と複雑さは、多くの人々が想像もしなかったペースで拡大を続けている。われわれが初めてVNI Forecastを発表した2005年以来、トラフィックは56倍に増え、IPネットワークにアクセスする人、デバイス、アプリケーションの年平均増加率(CAGR)は36%に達している」
「世界のサービスプロバイダーは、トラフィックの管理やルーティングの改善、優れたエクスペリエンスの提供に向けて、ネットワークの変革を推進している。われわれの調査は、顧客にとって成功のために必要となる技術とアーキテクチャの移行に関する貴重な洞察を得て、共有することに役立っている」
Cisco VNI : Forecast and Trends, 2017 - 2022に掲載された主な予測は次の通り。
世界のIPトラフィックは3倍以上に成長
- 2022年の年間IPトラフィックは4.8ZBに、月間IPトラフィックは396E(エクサ)Bに達する。2017年は月間122EBだった
- 2022年には、最頻時(1日で通信量が最大になる60分間)のインターネットトラフィックは、7.2P(ペタ)bpsとなる。これは、2022年の平均トラフィックの6倍、2017年の最頻時トラフィックの4.8倍に当たる(2017年からのCAGRは37%)。2022年の平均インターネットトラフィックは1Pbpsに達し、2017年の平均トラフィックと比べて4倍近くに増える(2017年からのCAGRは30%)
インターネットユーザーは世界人口の60%に達する
- 2022年には、インターネットユーザーは48億人となる。2017年は、世界人口の45%に当たる34億人だった
IPネットワークに接続される世界のデバイスと接続は285億個に成長
- 2022年には、IPネットワークに接続される世界の固定接続とモバイルパーソナルデバイス接続、M2M接続は、285億個に達する(世界人口1人当たり3.6個)。2017年は180億個(同2.4個)だった
- 2022年には全てのデバイスと接続のうち、スマートスピーカーや設備、機器などのM2M接続が146億個と5割を超える。2017年のM2M接続は61億個で、全体の34%を占めた
世界のブロードバンド、Wi-Fi、モバイル接続速度は2倍以上に加速
- 世界の固定ブロードバンド速度は平均39.0Mbpsから75.4Mbpsに増加
- 世界のWi-Fi接続速度は平均24.4Mbpsから54.0Mbpsに増加
- 世界のモバイル接続速度は平均8.7Mbpsから28.5Mbpsに増加
ビデオ、ゲーム、マルチメディアがトラフィック全体の85%以上を占める
- IP動画トラフィックは、2017年から2022年にかけて4倍に増加し、IPトラフィック全体に占める割合も75%から82%に上昇する
- ゲームトラフィックは、2017年から2022年にかけて9倍に増加する。2022年のIPトラフィック全体に占める割合は4%に達する
- VR(仮想現実)やAR(拡張現実)トラフィックは、2017年は月間0.33EBだったが、消費者と企業による両技術の急速な利用拡大を背景に、2022年には月間4.02EBに増加する
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