オンラインコーディング環境「Repl.it」、ネイティブGUIアプリやゲーム開発が可能に:チーム開発も可能
オンラインコーディングプラットフォーム「Repl.it」は、ネイティブGUIアプリケーションとゲーム開発が可能になったと発表した。
オンラインコーディングプラットフォーム「Repl.it」は2019年3月21日(米国時間)、同プラットフォームでネイティブGUIアプリケーションやゲーム開発が可能になったと発表した。
Repl.itは、50以上のプログラミング言語に対応しており、REPL(Read-Eval-Print Loop)を利用して、Webブラウザに表示したIDE(統合開発環境)からコードを実行できる。
Repl.itは今回の発表で、プログラマーが使用言語にかかわらず、ゲームやアプリを容易にコーディングできる改善を目指したとしている。
さらにネイティブグラフィックスをサポートすることで、豊富なフレームワークやゲーム、教材を利用できるようにしたと強調している。ゲーム開発用のクロスプラットフォームPythonグラフィックスライブラリ「Pygame」や、Java GUIウィジェットツールキット「Java Swing」のサポートが、特に功を奏しているという。
Repl.itは、「素早く頻繁にリリースを行う」方針を取っており、「今回の新機能の提供開始を自負しているが、今後の道のりはまだ長い」とも述べている。さらに、「現在はX Window System(X)を、VNCとWebSocketを介してWebブラウザに表示している。これは最も効率がよい方法ではなく、改良のアイデアがたくさんある」と説明している。
IDEにも工夫あり
Repl.itは、「IDEは、開発者が必要なときに適切な機能を提供しなければならない」という自ら打ち出すIDE原則に従い、「『LD_PRELOAD』を使って、アプリケーションがウィンドウを開こうとしているタイミングを検知し、Xをバックグラウンドで起動して、画面を環境内に表示している」と述べ、この方式はユーザーに好評だとしている。LD_PRELOADとは、Repl.itが提供するダイナミックリンカの機能。ロードしたライブラリのシンボル(関数や変数名など)を、他のライブラリをロードする前に結合できる。
さらに、Repl.itではMultiplayer機能により、ユーザーがREPL上で共同作業ができるように工夫されている。例えば、Google Chrome上で、共同作業相手と一緒にYouTube動画を視聴することもできる。
Repl.itは、米国にあるデータセンターでRepl.itサービスを運用しており、データセンターからの距離によっては、ユーザーが遅延を感じる場合があるという。現在はデータセンターのレプリケーションによる状況改善に取り組んでおり、関連技術として、2019年3月に発表されたゲームストリーミングプラットフォーム「Google Stadia」にも注目しているという。
なお、Repl.itは、新しいGUI機能の利用促進に向けて、ゲームコンテストを実施している。2019年3月18日に作品の応募受付を開始しており、4月18日が応募期限となっている。コンテストの勝者には賞金として1BTC(約4000ドル)を提供する。
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