Microsoft、「Visual Studio 2019」の一般提供を開始:GitHubとの連携などを強化
Microsoftは、統合開発環境の最新版「Visual Studio 2019」の一般提供を開始した。ボタンをクリックするだけで警告や推奨を解決できる「ワンクリックのコードクリーンアップ」や、実際のコードベースから学習するAI支援の提案機能「Visual Studio IntelliCode」、コードを共有してリアルタイムの共同開発が行える「Visual Studio Live Share」などを利用できる。
Microsoftは2019年4月2日(米国時間)、AndroidやiOS、Windows、Web、クラウドに向けた統合開発環境(IDE)の最新版「Visual Studio 2019(VS 2019)」の一般提供を開始したと発表した。
VS 2019には3つのエディションがある。VS Community 2019は無償。VS Professional 2019とVS Enterprise 2019は、ダウンロード可能な無料試用版もある。
ProfessionalとEnterpriseエディションは、クラウドサブスクリプションと標準サブスクリプションで提供されている。なお、Professionalに限り、現在のバージョンだけを必要とする場合、1回限りのスタンドアロンライセンスを購入することもできる。
VS 2019では、ボタンをクリックするだけで警告や推奨を解決できる「One-click code cleanup(ワンクリックのコードクリーンアップ)」や、GitHubのコードベースから学習するAI支援の提案機能「Visual Studio IntelliCode」、コードを共有してリアルタイムの共同開発が行える「Visual Studio Live Share」など、豊富な新機能が提供されている。C++やNode.js、Python、R、.NET、JavaScript/TypeScriptなど、多様な言語やフレームワークが使用可能だ。
新機能の概要は次の通り。
開発
パフォーマンスの向上や検索機能の向上、即座のコードクリーンアップの他、Gitとの統合により、生産的な作業に集中し続けることができる。
- 検索機能の向上:設定やコマンド、インストールオプションなどを検索すると、関連した結果が得られる
- コードのクリーンアップ:コード内に複数の問題があった場合でもその間を移動し、スタイルやフォーマットの修正を一括して適用できる
- IntelliCode:GitHubのリポジトリや、これまで使用されているコードベースからAIが学習し、IntelliSenseの候補として提示する
共同作業
Git-firstを特徴としたワークフローやリアルタイムの編集とデバッグ、Visual Studio内でのコードレビューなどを通じて、自然なコラボレーションが可能になった。
- Git-firstのセットアップ:効率的なGit-firstワークフローを使って、わずか数クリックでパブリックGitリポジトリを複製できる
- Live Share:同じコードベース上で任意の開発者と画面を共有しながら、共同でコーディングやデバッグが可能。その際、他の開発者の環境を複製する必要がない
- プル要求:VS 2019内部で「Azure Repos」からプルリクエストの作成やレビュー、コメントができる
デバッグ
特定の値をハイライトして移動したり、メモリ使用量を最適化したり、アプリケーション実行の自動スナップショットを取ったりできる。
- パフォーマンスの向上:外部プロセスを持つ複雑で大規模なアプリを扱う、強化されたC++デバッガを使用できる
- デバッグ中の検索:[自動変数]や[ローカル][ウォッチ]ウィンドウで新しい検索機能を使い、オブジェクトや値を素早く表示できる
- スナップショットデバッグ:クラウドでアプリ実行のスナップショットを取り、何が起きているかを正確に把握できる(Enterpriseエディションのみ)
国内では2019年5月末に紹介イベントあり
Microsoftは、VS 2019のローンチイベントを「launch.visualstudio.com」でオンデマンド配信している。ローンチイベントでは、VS 2019の説明とデモが行われた他、同時にリリースされた「Visual Studio 2019 for Mac」や「Visual Studio Live Share」も紹介した。
日本では、2019年5月29〜30日に開催する年次テクニカルカンファレンス「de:code 2019」で、VS 2019を国内向けに紹介する。
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