【 lslogins 】コマンド――最終ログインを含むユーザー情報を一覧表示する:Linux基本コマンドTips(300)
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、最終ログインを含むユーザー情報を一覧表示する「lslogins」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、最終ログインを含むユーザー情報を一覧表示する「lslogins」コマンドです。
lsloginsコマンドとは?
「lslogins」はユーザーの情報を一覧表示するコマンドです。ユーザー名などの基本情報の他に、最終ログインやログインエラーの記録も表示します。
ユーザーの基本情報は「/etc/passwd」と、状況に応じ「/etc/shadow」「/etc/group」を使用します。ログイン情報については「/var/log/wtmp」ファイルを、ログインエラーの記録は「/var/log/btmp」ファイルを参照します。なお、ログインエラーの表示にはroot権限が必要です。sudoコマンド(連載第68回)などを利用してください。
ユーザーのログイン情報は「last」コマンド(連載第291回)で、ログインエラーの情報は「lastb」コマンド(第292回)でも出力可能です。
lsloginsコマンドの書式
lslogins [オプション] [ユーザー名]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
lsloginsの主なオプション(出力書式関連)
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-c | --colon-separate | 各項目を「:」区切り形式で表示する |
-e | --export | 各項目を「項目名="値"」形式で表示する |
-r | --raw | 整形せずに表示する(スペース区切りになる) |
--noheadings | ヘッダ行を表示する | |
--notruncate | 長い項目を丸めない | |
-n | --newline | 各項目を「項目="値"」形式で1行に1項目ずつ表示する |
--time-format=書式 | 日付の書式を「short」「full」「iso」のいずれかで指定する | |
-z | --print0 | ユーザーを改行ではなくnull文字で区切る |
lsloginsの主なオプション(表示内容関連)
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-o 項目 | --output=項目 | 出力する項目を指定する(※1) |
-G | --supp-groups | グループの情報を表示する |
-L | --last | 最後のログイン情報を表示する |
-f | --failed | 最後のログインエラー情報を表示する(rootのみ) |
-p | --pwd | パスワード関連の追加情報を表示する |
-a | --acc-expiration | パスワードの有効期限を表示する |
-Z | --context | SELinuxのセキュリティコンテキストを表示する |
※1 使用できる項目は「-h」オプションで表示されるヘルプで確認する。複数指定したい場合は「,」で区切る。
lsloginsの主なオプション(表示対象関連)
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-l ユーザー | --logins=ユーザー名 | 指定したユーザーを表示する(※2) |
-g グループ | --groups=グループ名 | 指定したグループに所属しているユーザーを表示する(※2) |
-s | --system-accs | システムアカウントを表示する(「-s ユーザー名」で最終ログも併せて出力) |
-u | --user-accs | ユーザーアカウントを表示する(「-u ユーザー名」で詳細情報と最終ログも併せて出力) |
--wtmp-file ファイル名 | 「/var/log/wtmp」ファイルの代わりに使用するファイルを指定する | |
--btmp-file ファイル名 | 「/var/log/btmp」ファイルの代わりに使用するファイルを指定する |
※2 複数のグループを指定したい場合は「,」で区切る)
ユーザーの情報を表示する
「lslogins」で、全ユーザーの情報を表示します(画面1)。
対象のユーザーを指定したい場合は「-l」オプションで「lslogins -l ユーザー1,ユーザー2,ユーザー3……」のように指定します。ユーザー部分の指定にはユーザー名とユーザーIDが使用できます。なお、表示したいユーザーが1人の場合はオプションを使わず「lslogins ユーザー」でも指定可能です。
デフォルトではユーザーID(UID)とユーザー名(USER)、そのユーザーによって実行中のプロセス数(PROCS)、パスワードがロックされているか(PWD-LOCK)、ログインが無効になっているか(PWD-DENY)、前回のログイン日時(LAST-LOGIN)、フルネームなどのGECOS情報(GECOS)を表示します。
出力数が多いため、画面1ではheadコマンドとtailコマンドを使って一部のみを表示しました。
コマンド実行例
lslogins
(全ユーザーの情報を表示する)(画面1)
lslogins -l ユーザーA,ユーザーB,ユーザーC
(ユーザーA,ユーザーB,ユーザーCの情報を表示する)
lslogins ユーザーA
(ユーザーAの情報を表示する)
詳細情報を表示する
「lslogins -u ユーザー」で、詳細な情報を表示します(画面2)。さらに、root権限がある状態で実行すると、最新3回分のログイン情報も併せて表示します(画面3)。
コマンド実行例
lslogins -u ユーザー名
(指定したユーザーの詳細な情報を表示する)(画面2)
筆者紹介
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
元々はDOSユーザーで「DOS版UNIX-like tools」を愛用。ソフトハウスに勤務し生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当、その後ライターになる。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。地方自治体の在宅就業支援事業にてMicrosoft Officeの教材作成およびeラーニング指導を担当。会社などの"PCヘルパー"やピンポイント研修なども行っている。
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