終身雇用崩壊時代の「働き方のグラデーション」:仕事が「つまんない」ままでいいの?(54)(1/3 ページ)
終身雇用が崩壊する――ショッキングなニュースが飛び込みました。この先の働き方を考えたとき、エンジニアは何を意識し、何をしていけばいいのでしょうか。
先日、日本経済団体連合会(経団連)の会長やトヨタ自動車の社長などが「終身雇用は難しい」と発言したというニュースが飛び込んできました。経済界の重鎮の発言は影響力が大きく、ショッキングな話題でした。
「終身雇用」はこれまで、サラリーマンが安心して働ける「源」の一つでした。定年までの給与が毎月保証される。その結果、安心、安定した生活ができる。だからこそ、余計な心配はせずに、仕事に打ち込めました。
でも、「終身雇用は難しい」という発言は、これまで抱いてきた「安心、安定した生活ができる。だからこそ、仕事に打ち込める」の根底を揺るがすものです。それだけに、「この先、安定した暮らしができるのだろうか」と不安になった方も多いのではないでしょうか。特に終身雇用が当たり前だった40代以上の方にとっては。
また、最近では「老後は2000万円足りない」なんて、さらに不安になる情報も出ています。政府は火消しに躍起です。
私は今、「ある働き方」をしているのですが、この働き方をするようになってから、「もし、終身雇用が崩壊しても、何とか生きていけるだろう」と思っています。
そこで今回は、終身雇用が崩壊する前に考えたい「これからの働き方」を見ていきます。
「収入源が複数」という働き方
改めて、私の今の働き方についてお話しします。私は現在、しごとのみらいというNPO法人を運営しながら、サイボウズというIT企業でも働いています。しごとのみらいが週3日、サイボウズが週2日です。
それぞれの収入は「1つの企業で、フルタイムで働く」人より少ないのですが(労働時間が少ないですしね)、合計すると平均ぐらいです。
収入源が複数あるので、もし何らかの原因でどれかの収入が絶たれても、いきなり「ゼロ」にはなりません。半分程度は確保できます。
このような働き方は、「将来を見据えて」やってきたわけではありません。どちらかといえば、「行き当たりばったり」。その時々で「必要だ」と思うことや、「やりたい」と思うことをやってきたら、こうなっていたのが実情で、いわば「結果論」です。
それだけに、「オレはこんな働き方を目指してきたぜ」「これが絶対いい方法だ」などと、声高に言うつもりはありません。
でも、「終身雇用が崩壊する」「老後はお金が足りない」といわれる今、改めて自分の働き方を振り返って「このような働き方なら、1つの会社に依存しているよりもリスクが少なくなるな」「これから目指す働き方の一つとしても、アリなのかもしれない」と思うようになりました。
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