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2000年から運用してきたECサイト「Oisix」をマイクロサービス化 オイシックスのエンジニアが語る舞台裏「ストラングラーパターン」とは?(1/3 ページ)

2000年から運用してきたECサイトにマイクロサービスを導入したオイシックス・ラ・大地。モノリシックなECサイトのアーキテクチャをどのようにマイクロサービス化させていったのか、同社のシステム基盤部で基盤刷新セクションの川上徹氏が語った。

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 2019年5月18日に開催されたJavaコミュニティーイベント「JJUG CCC 2019 Spring」にオイシックス・ラ・大地 システム本部 システム基盤部 基盤刷新セクションの川上徹氏が登壇。「ストラングラーパターンによるマイクロサービスマイグレーションの勘所」と題して、同社がマイクロサービスアーキテクチャを採用した舞台裏を語った。

既存システムを「スクラップ&ビルド」するのは難しい

オイシックス・ラ・大地 システム本部 システム基盤部 基盤刷新セクション シニア 川上徹氏
オイシックス・ラ・大地 システム本部 システム基盤部 基盤刷新セクション シニアエンジニア 川上徹氏

 有機野菜や特別栽培農産物など安全性に配慮した食品宅配を手掛けるオイシックス・ラ・大地。オイシックス、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会の経営統合により誕生した同社は「より多くの人が、よい食生活を楽しめるサービスを提供します」「食に関する社会課題をビジネスの手法で解決します」といった理念を掲げ、個人、法人向けにインターネットや実店舗など、さまざまなブランドを通じてサービスを展開している。

 そのブランドの中で、「子どもに安心して食べさせられる食材」をコンセプトに、有機・特別栽培農産物、添加物を極力使わない加工食品を展開するのがECサイト「Oisix」だ。Javaで開発し、2000年6月に公開したサイトの改善を19年間にわたり続けてきた。川上氏は、既存システムに対する思いを述べる。


 「われわれエンジニアが日々サービスを開発していく中で、複数の課題を抱える既存システムにどう向き合っていくかを考えたときに、『スクラップ&ビルド』というすてきな言葉が思い浮かんで『今どきのアーキテクチャで完璧に作り直したら気持ち良いのでは』と考える。しかし一方で『何を言ってやがる(そんな虫のいい話はない)』と否定されるのが現実だ。既存のシステムでビジネスを回し、今われわれがご飯を食べている以上、既存のシステムに感謝をしつつ、複数の課題に向き合っていく必要がある。レガシーを憎んで人を憎まずだ」

 川上氏は同社が既存システムと向き合うため2つの課題にどう取り組んできたかを紹介した。1つ目はビジネスを継続させながら既存のシステムを変化させるにはどうすればよいか。2つ目は、「なんやかんやで難しい」、新しいアーキテクチャに刷新するにはどうすればよいかだ。

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