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【 vgmerge 】コマンド――ボリュームグループを統合するLinux基本コマンドTips(347)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、LVMでボリュームグループを統合する「vgmerge」コマンドです。

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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、LVMでボリュームグループを統合する「vgmerge」コマンドです。

vgmergeコマンドとは?

 「vgmerge」は、LVM2(Logical Volume Manager 2)で、ボリュームグループを統合するコマンドです。なお、逆にボリュームグループを分割する場合は「vgsplit」コマンド(連載第346回)を使います。

 Linuxでは当初、HDDなどに直接ファイルシステムを割り当てて管理していましたが、現在では、物理ボリュームをまとめて仮想化されたボリュームグループを作り上げた後、それを論理ボリュームに切り分けて管理する仕組みであるLVMが取り入れられています。例えば、CentOSでは、デフォルト設定のインストールで論理ボリュームを使用します。

 物理ボリュームを直接使うのではなく、論理ボリュームを作り上げて記憶領域を管理することで、LVMでは複数の物理的なディスクを1つにまとめて大容量のファイルシステムを構築したり、ファイルシステムのサイズを後から変更したりする操作が可能になります。

 LVMでボリュームを作成、削除したり、現在の構成を表示したりする場合は次のコマンドを使用します。

対象 作成 削除
物理ボリューム pvcreateコマンド(連載第335回) pvremoveコマンド(連載第338回)
ボリュームグループ vgcreateコマンド(連載第336回) vgremoveコマンド(連載第339回)
論理ボリューム lvcreateコマンド(連載第337回) lvremoveコマンド(連載第340回)


対象 拡張 縮小
物理ボリューム pvextendコマンド pvreduceコマンド
ボリュームグループ vgextendコマンド(連載第342回) vgreduceコマンド(連載第344回)
論理ボリューム lvextendコマンド(連載第343回) lvreduceコマンド(連載第345回)


対象 情報表示 詳細情報表示
物理ボリューム pvsコマンド(連載第331回) pvdisplayコマンド(連載第332回)
ボリュームグループ lvsコマンド(連載第329回) lvdisplayコマンド(連載第330回)
論理ボリューム vgsコマンド(連載第333回) vgdisplayコマンド(連載第334回)


vgmergeコマンドの書式

vgmerge [オプション] 統合先のボリュームグループ名 統合元のボリュームグループ名

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





vgmergeの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-A yまたはn --autobackup yまたはn メタデータのバックアップを行うかどうかを指定する(デフォルトは「y」、バックアップを/etc/lvm/backupに保存する)
-y --yes 全ての問い合わせに対し「y」を入力したものとして実行する
-f --force 処理内容を確認せず、強制的に実行する
-t --test 実際には実行せず、処理内容だけを表示する
-v --verbose 付加情報を表示する
-l --list 統合したボリュームグループの情報を表示する(vgdisplay -v相当)


ボリュームグループを統合する

 「vgmerge ボリュームグループ1 ボリュームグループ2」で、ボリュームグループ2をボリュームグループ1に統合します(画面1)。

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