Windows 10の機能更新プログラムで削除される機能、開発が終了した機能[バージョン1909版]:企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内(65)
Windows 10の機能更新プログラムでは新機能が追加される一方で、以前は利用できた機能が削除されたり、将来削除される可能性のあるリストに追加されたりします。企業のクライアントとしてWindows 10を利用している場合は、利用中の管理機能やセキュリティ機能が削除されることを事前に知り、代替策を用意することが重要です。
Windows 10で削除または廃止予定の機能の一覧
「Windows 10」の特定の機能更新プログラム(バージョン)から削除された機能、および開発が打ち切られ、将来的に削除される可能性がある機能については、以下のドキュメントで確認することができます。機械翻訳の場合があるので、正確な情報については英語のドキュメントで確認することをお勧めします。
- Features and functionality removed in Windows 10[英語](Microsoft Docs)
- Windows 10で削除された機能と機能性[日本語](Windows IT Pro Center)
- Windows 10 features we’re no longer developing[英語](Microsoft Docs)
- Windows 10の開発されなくなった機能[日本語](Windows IT Pro Center)
「Windows 7」や「Windows 8.1」にはあって、Windows 10で削除された機能に関しては、以下のドキュメントで説明されています。
- Windows 10 コンピュータの仕様とシステム要件を見つける方法 > 機能の廃止と削除(Microsoft Windows)
これらのリストは、具体的にWindowsのどの機能を指しているのか、明確でない場合もあります。また、「Microsoftペイント」(mapaint.exe)のように、Windows 10 バージョン1703で既に削除されたように書かれていても、リストの詳細列に書かれてあるように、完全なローカライズ版(日本語版を含む)のWindows 10については最新のWindows 10 バージョン1909でも標準搭載されており、利用可能なものもあります。
このリストと実際の状況が異なる場合でも、削除された機能としてリストアップされているものについては、利用できる/できないに関係なく“利用できないもの”として考えた方がよいでしょう。
一方、開発が打ち切られた機能については、機能が削除されるまではこれまで通り利用できる場合もありますし、既に正常に機能しなくなっているものもあります。
製品のバグが、その後の機能削除につながることもある
Windows 10の登場、あるいはその後のWindows 10の機能更新プログラムによって、それまで機能していたものが、正常に動作しなくなるという不具合が発生することがあります。
こうしたケースは、新しい機能更新プログラムのリリース直後には分かりようがないことであるため、企業クライアントとしてWindows 10を利用する場合は、新しい機能更新プログラムをすぐに全社展開はせずに、一定期間の検証期間を設け、利用している機能に影響がないかどうかを調査することが重要です。影響する場合は、不具合としてフィードバックする、あるいは修正されるまでの代替策を検討する必要があります。
しかし、製品の不具合としてMicrosoftにフィードバックしたとしても、修正されることなく、その機能自体が削除されることがあります。
例えば、Windows 10 バージョン1703から削除された機能の一つに「Interactive Services Detection(UI0Detect)」サービスがあります。これは「Windows Vista」で導入された「セッション0の分離」に対する互換性機能を提供するサービスであり、Windows 10 バージョン1607までは存在しましたが、サービスを開始しようとしてもエラーで失敗するという問題がありました。
- トラブルシューター泣かせのWindowsの仕様変更──忘れられた互換性機能?(連載:山市良のうぃんどうず日記 第89回)
その後、「UI0Detect」サービスはWindows 10 バージョン1703で削除されることになりましたが、それ以前のWindows 10には機能しない状態で存在し続けています。このサービスはサポート期間中の「Windows 10 Enterprise LTSB 2015」「Windows 10 Enterprise LTSB 2016」「Windows Server 2016」にも存在しますが、正常に機能することはありません。
同じような例に、Windows 10 バージョン1803で開発が打ち切りとなった「ソフトウェアの制限のポリシー(SRP)」があります。SRPは、実行可能なアプリケーションを許可/禁止できるセキュリティ機能です。「Windows XP」から導入され、Homeを除く全てのエディションで利用できます。
Windows 10 バージョン1607およびWindows Server 2016までは、以前のバージョンのWindowsと同じようにSRPが期待通りに機能します。しかしながら、Windows 10 バージョン1703以降では、発生条件はよく分かりませんが、機能する場合と全く機能しない場合が生じるようになりました。
その後、SRPの機能はそのまま「グループポリシー」内に残されましたが、開発打ち切りとされました。SRPの機能は存在しますが、Windows 10 バージョン1703以降、およびその後のWindows Serverでは事実上、利用できない機能になりました(画面1)。
フルバックアップとWindows To Goの機能性は健在
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- さようならSAC-T! これまでの、これからのWindows 10の更新チャネルをざっくりと解説
2019年春にリリースされるWindows 10の新バージョンから、ブランチ準備レベル「半期チャネル(対象指定)」が廃止されることが発表されました。これにより、どのような影響があるでしょうか。Windows Update for Business(WUfB)を利用していない限り、何の影響もないでしょう。WUfBを利用しているなら、更新後に設定を確認しておきましょう。 - 次期Windows 10最新動向:リリース秒読みの「19H1」はこう変わる
間もなくリリースされるWindows 10の新しい機能アップデート「19H1」。それに実装される新機能をまとめてみた。また、同時に変更となるライフサイクルなどについても解説する。 - 複雑怪奇? Windows 10の大型更新とサポート期間を整理する
Windows 10では従来のWindows OSと異なり、年2回、大型アップデートの提供が行われるようになった。それに伴い、サポート期間もバージョンごとに設定されるなどの変更が行われており、かなり複雑なものとなっている。本稿では、アップデートの提供タイミングならびにそのサポート期間などを整理する。 - Windows Update for Businessってどうなったの?
Windows 10の登場ですっかり変わってしまったWindows Update。IT管理者の多くが戸惑っているに違いありません。「Windows 10 バージョン1511 ビルド10586」に合わせ、「Windows Update for Business」が利用可能になりました。しかし、筆者を含む多くの人が想像していたのとは違い、SaaSタイプのサービスではありませんでした。 - Windows 10の更新プログラム適用で地雷を踏まないためのWindows Update運用法
Windows Updateによるアップデートの適用は、場合によっては不具合を起こす可能性もある。アップデートによって不具合が発生しないことを確認してから適用するとよい。そのためのWindows Updateによる適用を延期する方法を紹介しよう。