ローコード開発コミュニティ、「ローコード開発リファレンスモデル」を無料提供:「花束問題」をモデル要件に
ローコード開発コミュニティは、ローコード開発ツールの導入を検討している同コミュニティーの会員企業を対象に、「ローコード開発リファレンスモデル」の無料提供を開始する。
ローコード開発コミュニティは2020年2月10日、「ローコード開発リファレンスモデル」の無償提供を開始すると発表した。
これは同コミュニティーの「ローコード開発リファレンスモデル分科会」による活動の一環で、同コミュニティーの会員企業が対象。ツールベンダー各社が規定のシステム要件に基づいて開発した「実際に動作するシステム」を、導入検討用資料として無償提供する。
「花束問題」をモデル要件に
最初のレファレンスモデルのシステム要件には、「花束問題」を採用した。これは、分科会のメンバーでもある渡辺幸三氏らがまとめた要件。顧客が指定した日に花束を届ける通販事業に向けたもので、欠品を起こさず、かつ廃棄数量を最少に抑えるための在庫管理上の工夫が含まれるという。
ローコード開発コミュニティは「システム要件定義は新しい事業の在り方とそれを支える仕組みを創造するための作業に変容しつつあり、そのためにはツールを利用してステムを開発し、実際に使ってみることが近道だ」としている。こうした開発スタイルとしてアジャイル開発が有名だが、同コミュニティーは「本格的な業務システム向けの具体的な手順や方法論、成功事例が海外と比べて圧倒的に不足している」と指摘する。
そこで同コミュニティーは、モデリングとローコード開発ツールを軸とするアジャイル開発方法論の提供を視野に、まずは「日本国内の実効的なアジャイル開発手法のデファクトスタンダードを確立すること」を目指すとしている。
なお、ローコード開発コミュニティは、ユーザー企業やSIer(システムインテグレーター)、ツールベンダーによる国内での超高速開発の取り組みを支援する団体。海外では同分野を説明するキーワードとして「ローコード開発(Low Code Development)」が浸透していることを踏まえ、2019年10月に名称を「超高速開発コミュニティ」から変更した。
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