AI・機械学習のための数学超入門 ― 前提知識は四則演算だけ!:AI・機械学習の数学入門(3/4 ページ)
機械学習の数学は難しい!? そう思っている人はここから学んでみよう。本連載では、小学校で習う「四則演算(足し算/引き算/掛け算/割り算)」を使って、機械学習の数学をできるだけ分かりやすく簡単に説明していく。だからサブタイトルは「― 中学/高校数学のキホンから学べる」。今回は距離を求める中学数学をおさらいする。
距離を求める 〜 機械学習で使われる数学(1)
四則演算のルールを確認しただけでは、機械学習のどういう場面で役に立つのかが分からないので、簡単な利用例として、距離の計算方法を見ておきましょう。
機械学習では、ほとんど全ての手法で距離を求める計算が使われます。例えば、最適な値を求めるために(仮に定めた最適な値と)各データとの距離を小さくしていく(これによって「仮に定めた最適な値」は徐々に「実際の最適な値」へ近づいていきます)、という場合に「距離の計算」が必要になります。最適な値と各データとの距離は「誤差(error)」と捉えることもできます。
直線上の距離を求める
図3のような数直線では、2という位置と6という位置の距離は引き算で求められます。つまり、6−2という引き算になるので答えは4です。一方、2−6という引き算もできます。そうすると答えは−4という負の値になります。
距離は正の値なので、どちらからどちらを引いても正になるようにしたいですね。そのような値を絶対値(+や−が付かない値)と呼び、|〜|で囲んで表します。
なので、距離は4になります。
ただ、絶対値を取り扱うためには元の値が正の場合と負の場合に分けて考える必要があり、計算上の取り扱いが面倒です。そこで、ちょっとしたワザを使って計算を簡単にします。
1ページ目でお話したように、負の値を2乗すれば正の値になります。その後で、正の平方根(=正の数の「平方根」)、つまり、√(ルート)を求めれば、絶対値になります。なお、「平方根」の意味については実際の計算を見ながら説明します。
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