HPEがGreenLakeクラウドサービスを発表、データ活用のための製品群「Ezmeral」が目玉:企業IT全般のサービス化を目指す
HPEが、「サービスとしてのIT」の包括的な基盤を目指す「HPE GreenLake」で、新たなクラウドサービス群を発表した。注目されるのは、データ/機械学習関連製品群「HPE Ezmeral(エズメラル)」だ。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2020年6月23日(米国時間)、オンライン開催の年次イベント「HPE Discover Virtual Experience」で、「サービスとしてのIT」の包括的な基盤を目指す「HPE GreenLake」における、新たなクラウドサービス群を発表した。注目されるのは、データ/機械学習関連製品群「HPE Ezmeral(エズメラル)」。HPEはこれを、GreenLakeにおける主力製品の一つとして推進する。
GreenLakeは、オンプレミス/クラウド/エッジにおける企業のためのIT(ハードウェア/ソフトウェア)をサブスクリプションモデルで提供する取り組み。ハイブリッド/マルチクラウド環境とその上のソリューションを、HPEが統合的にサービスとして提供する。
HPEは2019年、GreenLakeのベースとしてIT統合調達・管理ポータル「HPE GreenLake Central」を発表、2020年5月には一般提供を開始した。クラウドのようなセルフサービスポータルを通じて、ITリソース/ソリューションをオーダーでき、利用開始後は監視やコスト管理ができる。
今回の発表では、サービスとして提供する機能の選択肢が広がった。
GreenLakeでは新たに、仮想マシン、ストレージ、コンピュート、データ保護、エッジネットワーキングのサービスの一般提供を、全世界で開始した。また、コンテナ、データ/機械学習基盤については、β版の提供を開始した。
このうち、「仮想マシン、ストレージ、コンピュート」は、オンプレミスITインフラ基盤、あるいはAmazon Web Services(AWS)/Microsoft Azureのサービスを提供するもの。データ保護にはシンプルなオンプレミス、クラウドそれぞれのバックアップに加え、「HPE Cloud Volumes Backup」がある。同サービスでは、オンプレミスとクラウドにまたがる双方向のバックアップが可能。バックアップデータは、復旧だけでなく、分析やテスト/開発に活用できる。エッジネットワーキングは、Aruba Networksの「Managed Connectivity Services」を使ってネットワークをサービス化したものという。
[2020/06/26追記]
上記のAWS、Azureに関連するサービスについて、米HPEは報道関係者/アナリスト向けブリーフィングで抽象的な説明をしていた。日本ヒューレット・パッカードに確認したところ、パブリッククラウドに関するサービスは別メニューとの回答があった。AWS、Azureについては、導入コンサルティング/構築支援、各種マネージドサービス、コンプライアンス管理支援、コスト管理支援、Ezmeralのサブスクリプション販売、Cloud VolumesおよびCloud Volumes Backupの提供を行うという。
データを活用したデジタル変革に焦点を当てたEzmeral
今回の発表の目玉といえるのがEzmeralソフトウェア製品群。GreenLakeのサービスとしてはβ版の提供を開始したところだが、従来型ライセンスではすぐに利用できる。
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