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Visual Studio Code、「HexEditor拡張」「GitHub Issue Notebooks拡張」リモート開発など機能追加「June 2020」リリース

Microsoftは、クロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「June 2020」リリース(バージョン1.47)を公開した。HexEditor拡張、GitHub Issue Notebooks拡張、リモート開発などの機能が強化されている。

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 Microsoftは2020年7月9日(米国時間)、「Windows」「Linux」「macOS」に対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「June 2020」リリース(バージョン1.47)を公開した。

 VS Codeのバージョン1.47では、ソース管理、「HexEditor」拡張、「GitHub Issue Notebooks」拡張、リモート開発、デバッグ、アクセシビリティーなどについて機能の追加、改善を行った。

「ソース管理」ビューがシングルビューに集約

 「ソース管理」ビューがシングルビューに集約された。全てのリポジトリがシングルビューにレンダリングされるようになり、ワークスペース全体の状態の概要を把握しやすくなった。また、ソース管理ビューをパネルに、他のビューをソース管理ビューコンテナに移動できるようになった。


シングルビューによるソース管理(出典:Microsoft)

 ソース管理ビューでリストビューを使うときに、名前やパス(デフォルト)、状態を基準に変更点をソートできるようになった。表示オプション(リスト/ツリー)とソートオプションが、コンテキストメニューで「View & Sort」という新しいメニュー項目にまとめられた。


ソース管理における表示とソート(出典:Microsoft)

「設定」エディタによるオブジェクト設定の編集

 これまで「設定」エディタは、文字列やブール値のようなプリミティブなタイプの設定を編集するためにしか使えず、複雑なタイプの設定を変更するには、「settings.json」を直接編集する必要があった。


従来の設定エディタでのオブジェクト設定(出典:Microsoft)

JSONエディタでのオブジェクト設定(出典:Microsoft)

 だが、VS Codeのバージョン1.47では、ネストされていないオブジェクト設定を設定エディタから編集できるようになった。拡張機能の作者はこの機能を使って、こうした設定をより可視化できるという。


新しい設定エディタでのオブジェクト設定(出典:Microsoft)

HexEditor拡張の機能強化

 VS Codeで16進編集機能を提供するHexEditor拡張機能は、継続的に改良が行われている。

 VS Codeバージョン1.47での主な強化点には、シンプルな編集のサポート(取り消し、やり直し、既存16進数セルの編集、ドキュメント末尾への新しいセルの追加を可能にする)や、大規模ファイルの最適化などがある。この最適化により、これまでは不可能だった18MBを超えるファイルが開けるようになった。


HexEditor拡張機能を使った編集(出典:Microsoft)

GitHub Issue Notebooks拡張機能の改良

 VS Codeチームは、「Jupyter Notebook」(以下、Notebook)のネイティブサポートに継続的に取り組んでおり、その一環として、GitHub Issueの検索とプルリクエストが可能なGitHub Issue Notebooks拡張機能を開発した。この拡張機能はまだプレビュー段階にあり、「Visual Studio Code Insider」でしか使えない。

UXのアップデート

 「Notebook」セルの見た目をアップデートし、よりコンパクトなデザインにした。また、選択されたセルにシャドーアウトラインを追加し、選択された状態がよりはっきり分かるようにした。


アップデートされたNotebooksのUX(出典:Microsoft)

取り消しとやり直しの機能強化

 「どのオペレーションの取り消しが可能か」を拡張機能が管理できるようにした。例えば、GitHub Issue Notebooksで「Lock」ボタンを選択し、セル内容を読み取り専用にしたり、通常の取り消し/やり直しコマンドでこの操作の取り消し/やり直しを行ったりできる。


GitHub Issue Notebooksでの取り消し/やり直し(出典:Microsoft)

NotebookのHot Exitサポート

 NotebookにHot Exitサポートを追加し、拡張機能がバックアップとリストアを扱えるようにした。保存されていないローカルな変更が拡張機能によってシリアライズされ、ワークスペースが再び開かれたときにリストアされる。

「Remote Development」拡張機能パックの改善

 リモート開発を支援する「Remote Development」拡張機能パックの開発が進んでいる。このパックを導入すると、コンテナやリモートマシン、WSL(Windows Subsystem for Linux)を、全ての機能を備えた開発環境として利用できる。

 この拡張機能パックには「Remote - SSH」「Remote - Containers」「Remote - WSL」の各拡張機能が含まれており、バージョン1.47での機能ハイライトは次の通り。

Remote - SSH

 リモートサーバがポートではなくソケットをリッスンできる。

Remote - Containers

 ボリューム内のリポジトリを開くよう促せるようになった。

Remote - ContainersとRemote - WSL

 WSL 2上のリモートコンテナを生産的に使用できるようになった。

新しいJavaScriptデバッガ

 新しいJavaScriptデバッガがVS CodeのJavaScript(Node.jsとChrome)のデフォルトデバッガとなった。新しいデバッガは、設定の変更や構成の有効化を行うことなく利用できる。

macOS向け「Java Pack Installer」

 「Visual Studio Code for Java Pack Installer」により、macOS上のVS CodeでJava開発を行うのに必要な依存関係と拡張機能をダウンロードできるようになった。

ARM64 Windowsビルドが安定版に

 VS CodeのARM64 Windowsビルドの安定版が提供開始された。

アクセシビリティーの改善

 ファイルエクスプローラーの「コンパクト」フォルダがフォルダの開閉状態やARIA(Accessible Rich Internet Applications)レベルを適切に表すようになった。

 同じARIAライブメッセージがスクリーンリーダーに適切に再読み上げされるようになった。

 スクリーンリーダーがエディタのカーソルオフセットを更新できるようになった。

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