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NIST、マスクの形、色、鼻の覆い方などがコロナ禍前の顔認識アルゴリズムに与える影響を調査認識エラー率は5〜50%

NIST(米国国立標準技術研究所)は、「顔認識アルゴリズムがマスクを着けた顔をどの程度識別できるか」の調査結果、第1弾を発表した。

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 NIST(米国国立標準技術研究所)は2020年7月27日(米国時間)、「顔認識アルゴリズムがマスクを着けた顔をどの程度識別できるか」についての調査結果の第1弾を発表した。

 この調査結果は、「NIST Interagency Report」(NISTIR 8311)として発表された。調査では、マスクを着けていない顔写真と、デジタル処理によって、同じ人がマスクを着けているように加工された数種類の画像を比べて、同じ人の写真として認識できるかどうかをテストした。

 結果は芳しくなく、調査した89の商用顔認識アルゴリズムのうち、最も認識精度が高かったものでも、認識エラー率は5〜50%に達した。

調査内容の詳細

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、多くの人がマスクを着けるようになったことから、NISTは「Face Recognition Vendor Test」(FRVT)プログラムとして、マスクで部分的に覆われた顔を対象とした顔認識アルゴリズムのパフォーマンス測定調査を進めており、今回発表したのはその初回調査の結果だ。

 初回調査では、コロナ禍前に開発された顔認識アルゴリズムのパフォーマンスを測定した。なおNISTは、2020年夏の遅い時期に、マスクの着用を考慮に入れて開発された顔認識アルゴリズムの精度を調査する計画だ。

 初回調査では、「個々の顔認識アルゴリズムが、同じ人の別々の写真を比較する1対1照合をどの程度の精度で行えるか」をテストした。この機能は、スマートフォンのロック解除やパスポートのチェックなどの際の認証に広く使われている。NISTの調査チームは、過去のFRVT調査で使われた約600万枚の写真を使って調査を行った。

 調査チームは初回調査で、ある人がマスクを着けているように画像を加工するに当たって、マスクにはさまざまな種類があることから、以下の例のように、マスクの形、色、鼻の覆い方などを変えた9種類の画像を用意した。


マスクの形、色、鼻の覆い方などを変えた9種類の画像(Credit: B. Hayes/NIST)

顔認識の精度を低下させたのは何か?

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