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開発パートナーに活用してほしい! 国産BaaS「Hexabase」の魅力開発に時間とコストがかかるバックエンドをAPIとして提供

エンタープライズ向けに特化したBaaS(Backend as a Service)である「Hexabase」。開発の経緯や背景、活用のメリット、開発パートナーにおける活用事例などについて、同社の代表取締役CEO 岩崎英俊氏、CTO(最高技術責任者)兼チーフエンジニアのソリバ・ジェーン・ポール・バナヤット(Jeane Paul Banayat Soliva)氏にお話を伺いました。

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バックエンドの機能をAPIとして提供することでシステム開発のコストと時間を削減

――まずはHexabaseの開発の背景について聞かせください。

Hexabase岩崎氏 以前から、日本ではレガシーシステムをどうクラウド化していくかに悩む企業が多くあります。

Hexabase 代表取締役CEO 岩崎英俊氏
Hexabase 代表取締役CEO 岩崎英俊氏

 ビジネス環境がスピーディーに変化する中にあって、企業規模や業種、業態を問わずDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が叫ばれてきましたが、オンプレミスで構築されたレガシーシステムでは、その変化に柔軟に対応できませんし、クラウド化しようとしても、IT人材不足に直面し、簡単にはシフトできない状況です。

 また、大きな基幹システムを作り、それをずっと活用していても、その周辺には基幹システムには取り込めない業務などを表計算ソフトや紙の帳票で処理し、そのデータを、人手をかけて基幹システムに入力して連携させるというように、システム化はしていてもボトルネックがあって「生産性が上がらない」という実態もあります。

 このようなシステム開発の現場でさまざま企業が抱える悩みを目の当たりにしてきた中で、クラウド上で早く安価に、しかも簡単に必要なシステムを構築できる仕組みを開発して、サービスとして提供したいと考えるようになったのが背景です。

日本国内で企業が抱えるIT化の課題
日本国内で企業が抱えるIT化の課題

――なるほど。企業が必要なシステムを素早く、簡単にリーズナブルに開発できる仕組みの提供ですね。その考えを実現するために「バックエンド」に着目されたのはどのような経緯からでしょうか。

岩崎氏 私がIT業界でシステム開発を手掛けてから約20年になります。実は、システム開発を始めたころから、ずっと同じ「課題感」を抱き続けていたのです。それは、「なぜ長い時間と大きなお金をかけて作ったシステムが『使いにくく、結果的に使われない』システムとなってしまうのか」ということでした。

 高額な投資をしてようやく作った「使いにくい」システムを我慢して使っているのが多くの日本企業の実情でした。そこをなんとか変えたいと考えていたのです。そんな中で、現在、当社のCTO兼チーフエンジニアを務めるソリバ・ジェーン・ポール・バナヤット(Jeane Paul Banayat Soliva)と出会いました。

 当時、私が考えていたのは、システム構築の多くのケースで問題となっていた、バックエンドのシステムを簡単にできないかというものです。自分一人では技術的に難しいかもしれないと悩んでいましたが、彼が先進的な技術を使っているのを知って、「この技術力を使えば、実現できるかもしれない」と話を持ちかけました。

 お互いに頭の中にあるアイデアをお互いに出し合って、ブレーンストーミングをしながらHexabaseのコンセプトをまとめていきました。開発には3年くらいかかりました。

 Hexabaseは、BaaS(Backend as a Service)と呼ばれるサービスで、システムにおいて必須となるデータベース管理やユーザーの登録、管理、認証、ログイン管理、マスター管理、権限管理などバックエンドの機能をパッケージにしたクラウドサービスです。

 当社ではエンタープライズ向けに特化しているので、「E」を付けて「EBaas」とも呼んでいます。Hexabaseは、バックエンドの機能をAPIとしてまとめて提供することで、開発パートナーのフロントエンドエンジニアが、UI/UXを開発するだけで、簡単に法人向けシステムの提案ができるというのをコンセプトにしています。

バックエンドに必要な機能を全てAPIで提供するというコンセプト

――確かに、エンジニアがフロントエンド、つまりシステムの画面構成や画面遷移、デザインなどに注力できれば、使いやすいシステムが簡単に構築できそうですね。

岩崎氏 はい。システム開発はフロントエンド開発、バックエンド開発、インフラ構築と大きく3つに分けられます。フロントエンド開発ではJavaScript、バックエンド開発ではJavaやPython、C#など、それぞれ利用する言語やフレームワーク、技術などは異なります。全てを使いこなせるフルスタックエンジニアもいますが、一般的にはフロントエンドの開発が得意なエンジニア、バックエンド側を主に手掛けるエンジニアなど、各エンジニアによる役割分担があります。

 これは、システム開発会社でも同様で、フロントエンドからネットワーク、サーバ、データベースなどインフラにかかわるところまでワンストップで対応しますとはいいつつも、得意不得意があるのが実情です。

 ところが、そうしたシステム開発会社でもHexabaseを使えば、システム開発を効率的にできます。バックエンドで必要な仕組みを全てAPIで提供するからです。例えば、バックエンド開発のことを知らないフロントエンドエンジニアでもアプリケーションを作り、安定的に稼働するシステムとして提供することが可能になるのです。

共通機能をAPIで提供するBaaSがHexabaseだ
共通機能をAPIで提供するBaaSがHexabaseだ

――しかも、Hexabaseはノンプログラミングでバックエンドを構築できるのが特長と聞いています。

岩崎氏 ゼロからバックエンドの機能を構築するのは、スキルとコストと時間がかかります。Hexabaseにはバックエンドに必要な機能がそろっているので、UIの画面を開発するだけですぐにシステムやサービスを立ち上げることができます。

 例えば、Hexabaseを活用した最近の事例では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策ソリューションとして体温管理を簡単にできる「Hexabase health」を開発しました。これも、実際に開発にかかった期間は3週間程度です。既に仕上がっているクラウドネイティブなバックエンドAPIを利用できることで、これだけスピーディーにクラウドサービスをローンチできるのです。

――開発期間が大幅に短縮できるのですね。一方で開発にかかるコストはどうでしょうか。Hexabaseを活用することで、具体的にどのくらい開発コストを抑えることができるのでしょう。

岩崎氏 いくつか実例を挙げながら説明します。例えば、「顧客管理&サポートサイト」の開発例ですが、従来のフルスクラッチ開発の見積金額は約400万円だったのに対し、Hexabaseを活用した開発の見積もりは約150万円でした。約3分の1に抑えられます。

 また、「人材マッチングサイト」の例では、フルスクラッチ開発での見積金額が約1600万円だったのに対し、Hexabaseを活用した開発の見積金額は約550万円。こちらも3分の1程度に抑えられています。

 さらに、「購買サイト」の例では、フルスクラッチ開発の見積金額が約2500万円だったのに対し、Hexabaseを使った開発の見積金額は約850万円でした。マッチングサイトなどを作成する場合も、普通は数千万円かかりますが、Hexabaseを使うと数百万円に抑えられます。かなり大きなコストのインパクトを得られます。

開発会社はフロントエンドの開発のみに注力することでUI/UXの向上を実現

――Hexabaseのアーキテクチャについてお伺いします。どういった要素で構成されていますか。

Hexabase CTO兼チーフエンジニア ソリバ・ジェーン・ポール・バナヤット(Jeane Paul Banayat Soliva)氏
Hexabase CTO兼チーフエンジニア ソリバ・ジェーン・ポール・バナヤット(Jeane Paul Banayat Soliva)氏

Hexabaseソリバ・ジェーン・ポール・バナヤット氏 以下に示す図がHexabaseのアーキテクチャを表したものです。Hexabaseは、マイクロソフトのクラウドサービスであるMicrosoft Azureで動作しています。フロントエンドを開発する会社が担当するのは、図の左上で「Clients」とされている部分のみです。そこからAPIを通じて、Hexabaseが提供するバックエンドのシステムと連携します。

 この図をご覧いただけると、システム開発会社はフロントエンドの開発だけに注力すればよいということがお分かりいただけるでしょう。UI/UXの向上など、本来Webサービスとして効果を高めたいところにエンジニアのリソースを投入することができるようになるのが大きなメリットです。

Hexabaseのアーキテクチャ
Hexabaseのアーキテクチャ

 クラウドサービスを活用しているため、ボタン1つでサーバを増やすことができます。例えば「Hexabase health」は新型コロナウイルス感染症の対策ソリューションなので、最初はユーザーが数十人や数百人規模かもしれません。ところが、それが一気に数万人、数十万人になることもあり得ます。そうなったときでもクラウドを基盤にして稼働するので、リソースを簡単、迅速に増強できます。

 つまり、利用者が少ないところからのスモールスタートに対応して、徐々にサーバを増やしながら、システムを育てていきたいといったお客さまのビジネスモデルにも柔軟に対応できるのです。これは、Hexabaseを活用したシステム開発における大きなアピールポイントであり、今後、Hexabaseを活用したシステム開発を提案していこうという開発パートナーにとっても魅力のあるものでしょう。

開発パートナーを募集中! 多くの開発パートナーとHexabaseを育てていきたい

――より多くの開発パートナーに活用してもらえれば、それだけHexabaseの機能も向上していきそうですね。

岩崎氏 ビジネス環境が急激に変化することも多い今、企業にとっては新しいビジネスのアイデアを小さくスタートさせ、徐々にスケールをさせていくのが主流になります。そうした企業のビジネスモデルをシステムとして、バックエンドの仕組みとして支えるのがHexabaseです。これは、Hexabaseを活用してシステム開発を手掛ける開発パートナーにとっての競争力になっていくと考えています。

――Hexabaseは、エンタープライズ向けのサービスということから「大企業向け」のイメージを持っていました。しかし、今の説明を伺うと、中堅/中小含め企業規模や利用人数を問わず、「新しいビジネスをスモールスタートさせて、将来的にスケールをさせたい」と考えている企業に最適なサービスといえそうですね。

岩崎氏 はい。中堅/中小規模の会社にもマッチするサービスです。実際、開発パートナー企業がHexabaseを活用して、中堅/中小企業向けに営業社員が使う見積もり作成システムや業務システムを開発している事例があります。開発パートナーが会計システムと連携する見積もり作成システムを開発して、SaaSとして提供しています。

 新しいシステムなので、開発パートナーやお客さまからは、「こういう機能を実装してほしい」というご意見やご指摘をいただくこともあります。そこは積極的にフィードバックしてもらって、それに応じてこちらでもAPIを随時、用意していく考えです。

 当社では、このHexabaseを開発パートナーに活用してほしいと考えています。多くの開発パートナーが、Hexabaseを活用してシステムを構築し、そのフィードバックを当社にくだされば、開発パートナーと一緒にHexabaseを育てていけます。それは日本市場におけるシステム開発を変革していくことにもつながっていくと考えています。

 ぜひ、少しでも多くの開発パートナーに協力していただいて、Hexabaseをより良いサービスにしていきたいと考えています。

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提供:株式会社Hexabase
企画:発注ナビ営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年9月12日

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