VMwareがデータセンター用EDR、SASE、ゼロトラストなどセキュリティで多数の発表、Menlo SecurityやZscalerと提携:VMworld 2020
VMwareが年次イベント「VMworld 2020」で、データセンターアプリケーション用EDR、ゼロトラストネットワークアクセス、SASEなど、セキュリティ関連の製品やソリューションを多数発表した。Menlo SecurityやZscalerとの提携も注目される。
VMwareは2020年9月29日(米国時間)、仮想マシン用EDR(Endpoint Detection and Response)、ゼロトラストネットワークアクセス、SASE(Secure Access Service Edge)など、セキュリティ関連で多数の製品やソリューションを発表した。Menlo SecurityやZscaler(日本での名称は「ゼットスケーラー」)との提携も注目される。
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EDRで知られるセキュリティベンダー、Carbon Blackを2019年に買収したVMwareだが、今回これを他のセキュリティ/ネットワーク製品と統合するなどして、セキュリティ製品群の大幅な拡張を図った。
まず、データセンター上の仮想マシン/アプリケーション保護では、Carbon Blackの機能を「VMware ESXi」や「VMware Tools」と統合した、「データセンターアプリケーション用のEDR」とも呼べる製品、「VMware Carbon Black Cloud Workload」を2020年11月中に提供開始する。
Carbon Black Cloud Workloadでは、セキュリティリスクの可視化やポリシー管理、対応を、「VMware vCenter」のコンソールから行えるという。
Carbon Black Cloud Workloadの保護対象は、仮想マシン上のアプリケーション/プロセスに限られない。2020年12月には、Kubernetesワークロードを保護する拡張を提供するという。
ゼロトラストネットワークアクセスでは、「VMware Secure Access」の拡張を発表した。これは「VMware Workspace ONE」と「VMware SD-WAN」を統合したもの。端末コンプライアンスを確保した上で、安全なリモートアクセスにつなげる。いわゆる「BYOD端末(非管理端末)」に対応した製品は、2021年1月末までに提供開始するという。
さらにVMwareは、Workspace ONEとVMware SD-WANに、同社では持っていない他社のSecure Web Gateway(SWG)を組み合わせた2 種のSASEソリューションを発表した。
まず、VMwareは「VMware Cloud Web Security」を2021年4月末までに提供開始すると発表した。これはMenlo SecurityのSWG、CASB(Cloud Access Security Broker)、Webブラウザ分離といった機能を、Workspace ONEおよびVMware SD-WANと組み合わせたもの。VMwareがサービスとして販売し、サポートも一括して行う。
一方、Zscalerとは優先パートナーとして提携したという。VMwareによる統合サービスになるわけではないが、両社による統合ソリューションを推進していくという。
端末セキュリティ関連では、他に2つのソリューションを発表した。
「VMware Workspace Security Remote」はWorkspace ONEにCarbon Blackのエンドポイントセキュリティ機能を組み合わせたソリューション。発表当日に提供開始された。
もう1つは「VMware Workspace Security VDI」。こちらは「VMware Carbon Black Cloud」とデスクトップ仮想化の「VMware Horizon」を組み合わせたもの。こちらも発表当日に提供開始となった。
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