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VMware、ESXi(の一部)をSmartNICに載せる「Project Monterey」を発表VMworld 2020

VMwareが、同社のサーバ仮想化技術ESXiで、「SmartNIC」と呼ばれるネットワークアダプタとの統合を進めるプロジェクトを、SmartNICやサーバのベンダーと開始したと発表した、I/O高速化を超えた機能を実現する。

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 VMwareは2020年9月29日、年次イベント「VMworld 2020」で、「Project Monterey(プロジェクト・モントレー)」を発表した。SmartNICベンダーやシステムベンダーと協力して、「VMware ESXi」の一部機能をNICのCPUで稼働し、I/O高速化、セキュリティの強化、サーバ機能の分解、物理サーバと仮想化サーバの統合管理などを目指す。

 Project Montereyは現在テクノロジープレビュー段階。複数年にわたって開発が進められるという。SmartNICパートナーとしてはIntel、Mellanoxを買収したNVIDIA、そしてPensando Systemsの名が挙げられている。


写真は「NVIDIA Mellanox ConnectX-6 Lx SmartNIC」

 PensandoはCisco Systemsからスピンアウトし、スタートアップのように新たな事業を作り上げてCiscoに買収されるというプロセスを繰り返している人たちが、「クラウドアーキテクチャを民主化する」として設立した企業。Amazon Web Services(AWS)の「Nitro Systems」に対抗するチップおよびソフトウェアを開発し、提供している。

 Project Montereyには、Hewlett Packard Enterprise、Dell Technologies、Lenovoといったシステムベンダーも参加している。

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 VMwareは、ESXiを長年x86アーキテクチャで動かしてきたが、最近ではArmへの移植も進めている。最近増えてきた「SmartNIC」と呼ばれる新世代のネットワークアダプタは、以前のインテリジェントNICとは異なり、Armあるいはx86のCPUを搭載し、汎用演算能力を備えることで、各種の機能を提供できる可能性が生まれている。

 そこでProject Montereyでは特に「VMware Cloud Foundation」で、SmartNICの統合的な利用を進める。コンピューティング処理こそ従来通りサーバのCPUに委ねるものの、ネットワーク、ストレージ、セキュリティに関する機能をSmartNICに移行する。

 Project Montereyがユーザーにもたらす最も分かりやすいメリットは、サーバのCPUが仮想マシンとその上で動くアプリケーション関連の処理に専念できることだとVMwareは説明する。特にCloud Foundationでは、ストレージI/Oもネットワークアダプタ経由で行うため、SmartNICの処理能力を活用して関連処理をオフロードすることは、全般的なパフォーマンス向上と物理リソースの効率的な利用につなげやすい。

 一方、セキュリティについては、これまでにやりにくかったことが実現できる期待も生まれる。

 例としては、アプリケーション/ストレージI/Oのきめ細かなパケット監視、レイヤー7にまたがるファイアウォール/パケットフィルタリング、データ暗号化/復号処理、さらによりインテリジェントなEDR(Endpoint Detection and Response)機能の実装などが考えられる。

 VMwareではさらに、仮想化サーバに加え、ベアメタルサーバ(物理サーバ)に同じ仕組みを適用することで、両者の統合管理ができると説明している。また、これをベースに、従来は単一のサーバハードウェアが担ってきた機能を分解し、多様なコンポーネントに分散して動かす、HPEでいえば「コンポーザブルアーキテクチャ」のような動きにつなげられるとしている。

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