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Azureポータルの“IEサポート”が2021年3月末で終了、その後はどうする?Microsoft Azure最新機能フォローアップ(130)

最新のWebエクスペリエンスを得るには、「モダンブラウザ」と呼ばれる最新のWebブラウザを利用する必要があります。かつて、Windowsの標準ブラウザであった「Internet Explorer(IE)」はモダンブラウザではなく、IE非対応のWebサイトやサービスが多くなりました。Azureポータルもまた、2021年3月末でIEのサポートを終了します。

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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

Azureポータルでサポートされるブラウザ、IE 11は2021年3月末で非対応に

 「Azureポータル」(https://portal.azure.com/)は現在、以下のドキュメントで説明されているように、モダンブラウザである「Microsoft Edge」「Mozilla Firefox」「Google Chrome」「Apple Safari」の最新バージョンと、レガシーなブラウザである「Internet Explorer(IE)11」を正式にサポートしています。

 Microsoftは2020年12月10日(米国時間)、AzureポータルにおけるIE 11のサポートを「2021年3月31日(米国時間)」に終了することを発表しました。2021年3月31日(米国時間)からはIE 11を使用したAzureポータルへのアクセスは不可能になる予定です。このアナウンスは、現在、IE 11でAzureポータルにアクセスするとページの上部にも表示されるようになっています(画面1)。

画面1
画面1 2020年12月10日(米国時間)以降、IE 11でAzureポータルにアクセスすると、2021年3月31日にIE 11がサポートされなくなるという通知が表示されるようになった

 IE 11はWindowsのコンポーネントとして、Windowsの各バージョンのライフサイクル期間中にサポートが継続されます。Windows Updateなどを通じてIE 11が削除されたり、無効化されたりすることはありません。IE 11はレガシーアプリの互換環境として引き続き利用可能ですが、Azureポータルへのアクセスには使用できなくなります。

 同じように、「Microsoft 365」アプリとサービスについても、2021年8月17日以降、IE 11をサポートしなくなることが、2020年8月に発表されています(「Teams Web」アプリについては2020年11月末でサポート終了)。

Windowsでは最新Microsoft Edgeを推奨、ブラウザ不要のスタンドアロンアプリも

 MicrosoftはIE 11ではなく、新しいMicrosoft Edgeの使用を推奨しています。新しいMicrosoft Edgeとは、2020年1月に安定版(Stable)が初めてリリースされ「Windows 10 バージョン20H2」に標準搭載されるようになった、「Chromium版Microsoft Edge」のことです。

 Windows 10 バージョン2004以前に標準搭載されていたレガシーなMicrosoft Edgeは、現時点ではAzureポータルのアクセスに問題なく使用できますが、レガシーなMicrosoft Edge自体のサポートが「2021年3月9日」に終了することが決まっています。AzureポータルでIE 11が使用できなくなるときには既に、レガシーなMicrosoft Edgeはサポートされていないということです。

 新しいMicrosoft Edgeは、macOSやモバイルデバイスを含むマルチプラットフォーム対応であり、Microsoft Edgeをもともと備えていない、レガシーなWindowsや、LTSC(長期サービスチャネル)のWindows Server/Windows 10にもインストールして使用できます(画面2)。

画面2
画面2 Windows Serverに新しいMicrosoft Edgeをインストールして、Azureポータルにアクセスする

 現在、IE 11でAzureポータルにアクセスすると、最初に「Azure Portal」アプリのダウンロードが勧められます。Azure Portalアプリは、ワンクリックでWindowsやWindows Serverにインストールして使用できるスタンドアロンアプリ(MicrosoftAzurePortal.exe)であり、ブラウザなしでAzureポータルと同等の機能を実現します(画面3)。Azure Portalアプリは、以下のURLから直接ダウンロードすることもできます。

画面3
画面3 Azure Portalアプリをダウンロードしてインストールすると、ブラウザなしでAzureポータルを操作できるように

モバイルデバイス向けのAzureモバイルアプリもある!

 Azureポータルは、AndroidやiOSデバイスのブラウザからもアクセスできますが、画面サイズの制約で操作しにくいこともあります。MicrosoftがAndroidおよびiOSの各オンラインストアを通じて無料提供している「Microsoft Azure」アプリ(Azureモバイルアプリ)を使用すると、モバイルデバイスに最適化されたUI(ユーザーインタフェース)で、Azureの正常性や状態を監視したり、基本的な管理操作を実施したりできます。PCを使わずに、いつでも、どこからでもAzureにアクセスできるので、Azureの管理者には必携のアプリといえるでしょう(画面4)。

画面4
画面4 Android版Microsoft Azureアプリ

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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