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EC2よりシンプルな料金体系の「Amazon Lightsail」で仮想プライベートサーバを立てるAWSチートシート

「Amazon Web Services」(AWS)活用における便利な小技を簡潔に紹介する連載「AWSチートシート」。今回は、「Amazon Lightsail」で仮想プライベートサーバを立てる方法について。

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 「Amazon Web Services」(AWS)活用における便利な小技を簡潔に紹介する連載「AWSチートシート」。今回は「Amazon Lightsail」で仮想プライベートサーバを立てる方法を紹介します

 AWSを使い始めたら一度は「Amazon EC2」を起動してみると思いますが、慣れないうちはどうしても従量課金が気になってしまうことでしょう。もし簡単な構成を試すのなら、EC2ではなくAmazon Lightsailを利用すると、その不安が解決されるかもしれません。

Amazon Lightsailとは?

 Amazon Lightsail(以下、Lightsail)は、AWSが提供するVPS(仮想プライベートサーバ)です。AWS以外が提供しているVPSと同じように、スペックに制限がある代わりに月額料金で利用することができます。EC2のように、インスタンスの消し忘れなどで想定以上の料金がかかることはありません。

 スペックが制限されているので自由にカスタマイズして使えませんが、勉強用途や開発環境などで、シンプルなアプリケーションを動作させるには十分でしょう。

 下記リンクはLightsailのチュートリアルで、Lightsail上で「WordPress」を構築するものです。よろしければ本稿と併せてご参照ください。

Amazon Lightsailの基本的な使い方

1.まずは、AWSのコンソールにアクセスしてリージョンが「東京」になっていることを確かめます(図1)。


図1 「東京」になっていることを確認

2.次にLightsailを開きます。サービス一覧から「lightsail」と入力して検索すると、検索結果に表示されます(図2)。


図2 「lightsail」と入力して検索した結果

3.起動時には図3の通り、言語選択のウィンドウが表示されます。


図3 言語選択のウィンドウ

 適当な言語を選択し「保存」をクリックしてください(本稿では日本語を選択します)。

4.続いて、新規プロジェクトを立ち上げるかどうか問われます。本稿では、このままプロジェクトを立ち上げたいので、「では、始めましょう」をクリックしてください(図4)。


図4 新規プロジェクト画面で「では、始めましょう」をクリック

※このとき、「後で何か作成」をクリックした場合、既にLightsailを起動したことがある場合は図5の画面が表示されます。この場合は「インスタンスの作成」をクリックすると、本稿の次のステップに合流します。


図5 既にLightsailを起動したことがある場合

5.次の画面で作成するインスタンスの詳細を設定します。本稿ではチュートリアルとして課題管理ツールの「Redmine」を立ち上げますが、適宜適切な項目を選択してください(図6)。


図6 インスタンスの詳細設定

※ここでインスタンスロケーションが適切なものに設定されているかどうかを確認してください。特別な理由がない限りは現在地域に一番近いものを選択するといいでしょう。もし設定を変更する場合は、「AWSリージョンとアベイラビリティゾーンの変更」から実行できます(図7)。


図7 「AWSリージョンとアベイラビリティゾーンの変更」

6.続いてオプションの設定ですが、本稿では特に設定しません(図8)。


図8 オプションの設定

7.次は、インスタンスプランの選択です。ここでは、もっとも低いスペックのインスタンスを選択します(図9)。


図9 インスタンスプランの選択

 もっとも低いスペックのインスタンスを利用する場合、Lightsailを使い始めてから最初の1カ月分無料で利用できます(正確にはインスタンス総利用時間の内、最初の750時間まで)。

 その他インスタンスのスペックについては下記リンクを参照してください。

8.インスタンス名を設定します。管理しやすい名前を付けます。ここでは、「lightsail-tutorial」と設定します(図10)。


図10 インスタンス名の設定

 また、ここではインスタンスにタグを付けることもできます。タグを付けることで請求を管理しやすくなります。

9.最後に「インスタンスの作成」をクリックします。しばらくは作成中なので利用不可になっています(図11)。


図11 しばらくは作成中

 こちらが実行中と表示されるまで少々お待ちください。図12のように表示されれば作成は完了です。


図12 インスタンスの作成完了

10.インスタンス名をクリックすると、そのインスタンスの設定ができます(図13)。


図13 作成したインスタンスの設定

11.接続先に表示されているIPアドレスをブラウザで開くと、Redmineを開くことができます(図14)。


図14 Redmineの起動

12.サインインするために初期パスワードを調べます。先ほどの画面に戻り画面中段の「ブラウザを使用する」から「SSHを使用して接続」をクリックし、インスタンスに接続してターミナルを開きます(図15)。


図15 インスタンスに接続してターミナルを開く

13.続いて、ターミナル上で下記コマンドを実行するとパスワードが表示されます。

cat bitnami_applications_password

※表示されたパスワードは選択後、右クリックからコピーできます。

14.再びRedmineの画面に戻り、右上の「Sign in」をクリックします(図16)。


図16 「Sign in」をクリック

15.ログイン画面に遷移するので、「Login」に「user」を、「Password」に先ほど調べたパスワードを入力して「Login」ボタンをクリックします(図17)。


図17 「Login」ボタンをクリック

16.ログイン後、「My page」が表示されれば、ログイン成功です(図18)。


図18 ログイン成功

※本稿ではRedmineについて特に説明しませんが、使う際はここから管理者用ユーザーを作成して、そこでRedmineの設定をした方が無難です。

17.最後に課金されないように後片付けします。

 インスタンスの設定画面に戻り、一番右の「削除」を選択します。画面中央に「インスタンスの削除」ボタンがあるのでクリックしてください(図19)。


図19 「インスタンスの削除」をクリック

18.図20のように確認画面が出ます。削除してよいのであれば、「はい、削除します」をクリックしてください。


図20 確認画面で「はい、削除します」をクリック

19.インスタンス一覧から削除されていれば、完了です(図21)。


図21 削除完了

注意点

 Lightsailを利用するに当たり、下記に注意してください。

  • Lightsailでは、月額料金を上限として使用時間当たりで課金される
  • ただしEC2と違い、インスタンスを停止しても課金の対象となる

料金

 仮想サーバの料金表は以下の通りです。


図22 Linux/UNIXサーバの料金表

図23 Windowsサーバの料金表

 その他の料金については下記リンクを参照してください。

まとめ

 このようにLightsailの基本的な使い方を紹介しました。本稿では紹介していませんが、インスタンスのDNSやストレージ、ネットワークなど細かく設定することもできます。

 また、2020年11月からLightsailを利用してコンテナをデプロイできるようになりました。これによって利用する価値はますます上がったと思います。

 料金が気になったり、「ややこしいそうだ」と感じたりして、AWSの利用をためらっているのであれば、EC2より先にLightsailを利用してみてはいかがでしょうか。

筆者紹介

平石 匠(ひらいし たくみ)

株式会社システムシェアード所属。入社後1年間現場を経験後、2019年から本社で新規事業開発に従事。新規プロダクト「安心サンドボックス」のプロダクトオーナーなどを経験後、現在はIT教育部門「東京ITスクール」で新規研修の立ち上げに参画中。


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