「3000万ドル以上の身代金を要求された」が約3割 バラクーダネットワークスがランサムウェア攻撃の傾向を調査:インシデントは対前年比で64%増加
バラクーダネットワークスジャパンは、「バラクーダの注目する脅威:ランサムウェアの傾向」を発表した。ランサムウェア攻撃によるインシデントは、対前年比64%増の121件だった。
バラクーダネットワークスジャパン(以下、バラクーダ)は2021年8月23日、「バラクーダの注目する脅威:ランサムウェアの傾向」と題した調査結果を発表した。
この調査結果は、2020年8月から2021年7月の間に発生したランサムウェア攻撃を分析したもの。主に自治体や医療、教育関係の企業が狙われているが、その他の企業への攻撃も増加していることが分かった。
より多くの企業に到達する「サプライチェーン」への攻撃が増加
調査結果によると、ランサムウェア攻撃によるインシデントは対前年比64%増の121件になっており、バラクーダは「ランサムウェア攻撃は、一度の攻撃でより多くの企業に到達する『ソフトウェアサプライチェーン攻撃』へと急速に進化している」と指摘する。
ランサムウェア攻撃全体に占める「インフラ」「旅行」「金融サービス」などの企業への攻撃の割合は、2020年の調査時は18%だったのに対して、今回の調査では57%だった。身代金の金額も増加している。身代金要求額が「3000万ドル以上」が30%を占め、「1000万ドル未満」は18%だった。1件当たりの平均身代金要求額は1000万ドルを超えている。
ランサムウェア攻撃の標的になっている地域を見ると、米国が44%、EMEA(欧州、中東、アフリカ地域)が30%、アジア太平洋地域が11%、南米が10%、カナダとメキシコが8%だった。バラクーダは「依然として米国に集中しているものの、ランサムウェア攻撃の標的は世界中に広がっていることが分かった」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
サイバーセキュリティの実践状況をセルフチェックできる診断ツールをIPAが公開
IPAのセキュリティセンターは、「サイバーセキュリティ経営可視化ツール」の正式版を公開した。β版に対して同業種平均との比較や対策が不十分な場合の参考情報の提示、回答のヒントといった機能を追加した。ランサムウェア被害組織、バックアップがあっても大抵は身代金を支払う羽目に――その理由とは
Krebs on Securityは、「ランサムウェア攻撃を受けた組織は、バックアップから全てをリストアできる手段を持っていても、結局のところ、大抵は身代金を支払う羽目になる」と指摘し、その主な理由を解説した。コロナ禍のセキュリティ侵害、20%がテレワーク経由 2021年に警戒すべき3つの脅威とは
BlackBerry Japanは2020年のセキュリティ侵害の特徴や傾向などを分析した「脅威レポート2021」を発表。身代金を要求する二重脅迫型ランサムウェアが増加していると指摘した。