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ソフトウェアエンジニアリングリーダー必読:API戦略およびプラクティス展開の5つのポイントGartner Insights Pickup(224)

ソフトウェアエンジニアリングリーダーは5つのポイントを考慮し、API戦略およびプラクティスの技術目標とビジネス目標を両立させることが重要だ。

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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 ソフトウェアエンジニアリングリーダーは皆、「API(アプリケーションプログラミングインタフェース)はシステムやアプリケーションを接続し、インパクトの高いコンポーザブル(組み立て可能)なソフトウェアアーキテクチャを構築するための最良の選択肢だ」と考えている。だが、APIのデジタル製品としてのビジネスポテンシャルを見過ごし、主に技術的なユースケースにフォーカスしている。

 有意義なビジネス成果を実現し、ステークホルダーの信頼を獲得するには、企業はモダンAPI戦略を持つ必要がある。この戦略は、ビジネス目標に合致するとともに、APIのセキュリティやガバナンス、ライフサイクル管理、開発者支援、収益化の可能性をカバーしていなければならない。

 「API戦略に責任を持つソフトウェアエンジニアリングリーダーは、APIの技術的なメリットだけを重視してはならない。ビジネスステークホルダーの支援を裏切らないように、ビジネスの視点も取り入れる必要がある」と、Gartnerのアナリストでシニアディレクターの、シャミン・ピライ(Shameen Pillai)氏はアドバイスする。

 ソフトウェアエンジニアリングリーダーが効果的なAPI戦略およびプラクティスを展開するための、5つのポイントを紹介する。

1.APIガバナンスをボトルネックにしない

 APIを開発、管理し、ガバナンスを確保するとともに、お役所的なやり方が障壁とならないようにするには、ソフトウェアエンジニアリングリーダーは「アダプティブガバナンス」モデルを導入するとよい。例えば、さまざまなビジネスグループのAPIチーム(デジタル、商取引、物流APIチームなど)に属するAPIプロダクトマネジャーなどで構成される、フェデレーション型APIプラットフォームチームを新設し、ローカルに開発されたAPIを全体のAPI戦略を損なうことなく管理するというものだ。

 ローカライズされた標準、ツール、プロセスをサポートするには、APIプロダクトチームがばらばらな、あるいは重複した標準を作らず、フェデレーテッドAPIガバナンスに積極的に参加することが重要だ。プラットフォームチームとプロダクトマネジャーは、一貫したコミュニケーションを行い、共有される資産、ポリシー、プラクティスを認識しなければならない。

2.たとえ収益化の計画がなくとも、APIをプロダクトとして扱う

 APIを技術的な目的の達成手段として捉えるのは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)後の世界では不十分だ。今では、APIはデジタルビジネス戦略を前進させるのに不可欠であり、収益化を優先することなく、プロダクトとして扱う必要がある。APIを収益化している企業もあるが、大部分の企業はまだ収益化していない。多くの企業は、APIプロダクトを社内でのみ利用している。

 それでも、APIの開発、統合、管理は、利用者中心の考え方で進めなければならない。そのためには、プロダクトマネジャーが次のことをする必要がある。

  • APIのロードマップを作成し、ビジネス成果を測定する
  • API利用者(開発者など)のニーズを理解して対応し、APIプロダクトの利用を促進し、開発者とのより良い関係を築く

(出所:Gartner ボトルネックを回避するためのフェデレーション型APIプラットフォームチーム)

3.ハッカーが発見する前に自社のAPIを発見する

 APIはシステムやアプリケーション、サービスへのゲートウェイであるため、常にセキュリティの脅威にさらされやすい。その結果、何百万人ものユーザーのプライベート情報や機密情報が失われる恐れもある。

 APIのセキュリティ戦略では、脅威防御や厳密なアクセス制御、データプライバシーに重点を置かなければならない。多くの場合、ソフトウェアエンジニアリングリーダーは公開されたAPIを保護するが、公開されていないAPIをうっかり放置することもある。死角をなくしてAPIの悪用を全て追跡するには、APIの発見が重要になる。

 ソフトウェアエンジニアリングリーダーはDevSecOps戦略を採用し、セキュリティガバナンスポリシーを全社的に適用しなければならない。APIセキュリティおよび管理ソリューションが、APIと潜在的なハッキング脅威を発見する機能を評価し、強化する必要がある。

4.APIのライフサイクルを管理する

 APIのライフサイクルは、次の4つの段階で構成される。

  • 計画と初期設計
  • 実装とテスト
  • 公開と運用
  • バージョン管理と廃棄

 ソフトウェアエンジニアリングリーダーは、4つのライフサイクル段階にわたって包括的なAPI戦略およびプラクティスを展開する、一貫したプロセスを構築しなければならない。例えば、「計画と初期設計」の段階では、設計アプローチや方法論、ガバナンスを組み合わせた反復的プロセスを推進する必要がある。同様に、「公開と運用」の段階では、高度なセキュリティ分析を推進し、APIのビジネス価値を測定すべきだ。

 APIの品質維持や問題の追跡、APIのライフサイクルの最適化については、実際のパフォーマンスを基に自動化を活用するとよい。

 APIの開発は、自社のDevOpsのCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)プロセスに沿って行う。これにより、ソフトウェアエンジニアリングリーダーは、APIをさまざまな環境で開発、公開、テスト、実装する際に考慮すべき点を学ぶ。例えば、APIのテストガイドラインに従って、特定の機能やパフォーマンス、セキュリティテスト要件が必須になることがある。

5.最適なAPI技術を選ぶ

 現在では、APIの開発や管理のためのさまざまなベンダーソリューションが市場で販売されている。だが、API市場は進化しており、一部のベンダーはAPIの特定の側面――例えば、設計やテスト、モニタリング、セキュリティ、ポータル、エコシステム管理などに特化している。

 多種多様なソリューションの選択肢があるため、ソフトウェアエンジニアリングリーダーは、自社とエンジニアリンググループのニーズを明確にしておく必要がある。より信頼できる、コラボレーションを促進する選択をするには、APIプロダクトマネジャーやAPIプラットフォームチーム、セキュリティチームに、選択プロセスに参加してもらう。

 さまざまなベンダーソリューションの可能性や存続性、成熟度の違いを見分けるのは難しいかもしれない。APIライフサイクル管理にとって重要な機能を比較検討し、各ソリューションの長所と短所を理解して、自社に最適なものを選ぶとよい。

出典:Top 5 API Lessons for Software Engineering Leaders(Smarter with Gartner)

筆者 Ashutosh Gupta

Content Marketing Specialist


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