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量子暗号通信は金融分野で使えるのか:野村證券やNICTが検証
近年、金融分野ではサイバー攻撃の増加やデジタル化の進展など、システムを取り巻く環境が大きく変わり、セキュリティ対策についてより一層の強化が求められている。特に取引処理の遅延が機会損失の発生につながる株式取引では、膨大な量の取引データ伝送に耐えられ、低遅延な通信方式が必要とされている。野村證券やNICTなど5者は、量子暗号通信がどの程度利用できるのかを検証した。
野村ホールディングス(野村HD)と野村證券、情報通信研究機構(NICT)、東芝、NECの5者は2022年1月14日、今後の量子暗号技術の社会実装に向けた共同検証で、量子暗号通信を利用した場合、従来と同等の通信速度を維持でき、暗号鍵を枯渇させることなく高秘匿で高速な暗号通信が可能であることを確認したと発表した。
量子暗号通信をどうやって使うのか
2020年12月に開始した今回の共同検証では、高速で大容量、低遅延なデータ伝送が厳格に求められる株式取引業務をユースケースとした。検証内容は実際の株式取引で標準的に採用されているメッセージ伝送フォーマット(FIXフォーマット)に準拠したデータを大量に高秘匿伝送する際の低遅延性と、大容量データ伝送に対する耐性だ。
今回の取り組みの目的は、理論上いかなる計算能力を持つ第三者(盗聴者)でも解読できないことが保証されている暗号通信方式である量子暗号通信の金融分野への適用可能性を検証することだ。
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