連載
Kubernetesが、Azureサービスのハイブリッド/マルチクラウド化に必要な理由:Azure Arcで学ぶクラウドとKubernetesのガードレールづくり(4)
Microsoft Azureでは、サービスのハイブリッド/マルチクラウド化にKubernetesを利用している。今回は連載の最終回として、なぜKubernetesを使うのか、どのように使っているのかを具体的に説明する。
第3回では、Kubernetesの管理を主題として、Azure Arcの提供機能や内部構造を具体的に解説しました。要点は4つです。
- Azure Arcには、Enabled InfrastructureとEnabled Servicesという2つのカテゴリーがある
- Enabled Infrastructureの対象の1つがKubernetesクラスター
- Azure Arcの拡張機能により、Kubernetesクラスターのガードレールを作り、守りを固める
- 守りを固めた上で、付加機能やサービスを選択、導入する
最終回の今回は、Azure Arc Enabled Servicesを解説します。機能の羅列は他に任せ、本質に迫ろうと思います。「サービスを名乗るためには何が必要か」「なぜKubernetesが必要なのか」を考えると、Azure Arc Enabled Servicesの価値や狙いが見えてきます。
Azure Arc Enabled Servicesの概要
第3回で触れた通り、Azure Arc Enabled Servicesは「Kubernetesを前提とし」「その拡張機能としてAzureのマネージドサービスを動かす」という構造をとります。
利用できるデータ、アプリサービス系の拡張機能
守りを固めるガードレール系の拡張機能は、第3回で紹介しました。今回はデータ、アプリサービス系機能にフォーカスします。現在、以下の拡張機能が提供されています。
ところで、いきなりAzure Arc拡張機能の存在を否定するようですが、クラウドでのデータ、アプリサービス系機能の利用経験に乏しい段階であれば、まずは各クラウドが提供するマネージドサービスの活用をお勧めします。理由は、それぞれのクラウドに最適化されているから、だけではありません。
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