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GitHub、VS Codeベースのクラウド開発環境「Codespaces」ですぐに使えるテンプレート提供プレビルドにより作成を高速化

GitHubはクラウドホスト型開発環境「GitHub Codespaces」のプレビルド機能の一般提供を開始した。codespaceの作成を高速化できる。

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 GitHubは2022年6月15日(米国時間)、「GitHub Enterprise Cloud」と「GitHub Team」プランの顧客向けに、クラウドホスト型開発環境「GitHub Codespaces」のプレビルド機能の一般提供を開始したと発表した。

 プレビルドされた個々のcodespaceは、「すぐに使える」テンプレートとして機能する。ソースコードやエディタの拡張機能、プロジェクトの依存関係、コマンド、構成が既にダウンロード、インストール、適用されているからだ。そのため、新しいcodespaceを作成するたびに、これらの作業の終了を待つ必要がない。これにより、codespaceの作成が大幅に高速化される。コードベースが複雑な、あるいは大規模な場合は特に有効だ。

 GitHub Codespacesのプレビルド機能は、2022年2月にパブリックβ段階に入った。GitHubは今回の一般提供開始までに、βテスターからのさまざまなフィードバックを基に、次のような機能強化を施したと紹介している。

いつプレビルドを実行する? 環境の鮮度を優先するか、実行時間を優先するか

 リポジトリ管理者はチームのニーズに応じて、いつ、どのようにプレビルドを行うのかを決められるようになった。あるリポジトリとブランチについてプレビルドを行う際、管理者はトリガーを次の3つの中から選べる。

プッシュごと(既定)
 ブランチへのプッシュが実行されるたびに、プレビルドされる

構成変更時
 構成ファイルが変更されるたびに、プレビルドされる。上記の「プッシュごと」の場合と比べて、GitHub Actionsワークフローの実行頻度が減り、Actionsの実行時間が減少する

スケジュール
 カスタムスケジュールでプレビルドされる。上記の「構成変更時」の場合と比べて、Actionsの実行時間をさらに減らせる

 プレビルドのタイミングをこのように管理できるようになり、リポジトリ管理者は、環境の鮮度とGitHub Actionsの実行時間を比較して、より良くバランスを取れるようになった。


プレビルドのトリガーの設定(提供:GitHub)

失敗した場合の通知を工夫できる

 リポジトリ管理者は、プレビルドの構成に関連するワークフローが失敗した場合に、メールで通知する個人やチームの範囲を指定できるようになった。


失敗通知(提供:GitHub)

 失敗の調査を支援するために、リポジトリ管理者が問題を修正する間、プレビルドの実行を一時的に停止できる機能も追加された。


プレビルドの実行を無効に(提供:GitHub)

プレビルド中かどうかが分かる

 プレビルドが可能なマシンタイプの識別が、迅速なプレビルドに役立つような工夫も加えられている。

 特定のブランチについてプレビルドテンプレート作成が進行中の場合を想定し、「Prebuild ready」(プレビルド準備完了)ラベルに加えて、「Prebuild in progress」(プレビルド中)ラベルが導入された。


「Prebuild in progress」(プレビルド中)ラベル(提供:GitHub)

プレビルドの課金を管理できる

 一般提供開始に伴い、プレビルドに関連するワークフローの実行に必要なActionsの実行時間(分数)と、リポジトリやリージョンに対応した各プレビルド構成の関連テンプレートが使用するストレージに対して、課金されるようになった。

 管理者は自組織の使用レポートをダウンロードし、自組織が所有するリポジトリについて、プレビルド関連のActionsとストレージのコストを把握し、使用状況の管理に役立てることができる。

ストレージコストを管理できる

 リポジトリ管理者は、保持するプレビルドテンプレートのバージョン数を指定できるようになった。既定では「2」になっている。既定値を選んだ場合、GitHub Codespacesサービスが、最新とその1つ前のプレビルドテンプレートを保持する。この機能は、プレビルドによって使用するストレージを節約するのに役立つ。


保持するプレビルドテンプレートのバージョン数の指定(提供:GitHub)

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