インメモリOLTPメモリコンシューマーの情報を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(138)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、インメモリOLTPメモリコンシューマーの情報を出力する方法について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_xtp_system_memory_consumers」における、インメモリOLTPメモリコンシューマーの情報を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)、「Azure SQL Database」「Azure SQL Managed Instance」です。
概要
SQL ServerではインメモリOLTPを使用することでトランザクション処理やデータ取得、データロード、一時データ・シナリオのパフォーマンスを最適化できます。インメモリOLTPでは、データアクセスやトランザクション実行は、従来のディスクベースのオブジェクトとは異なるアルゴリズムで処理されます。
インメモリOLTPではテーブルやインデックスなどによってメモリが消費されますが、それ以外にも、トランザクション構造やデータ、デルタファイルのバッファー、ガベージコレクション構造などのインメモリOLTP固有のシステムオブジェクトによってもメモリは消費されます。
「sys.dm_xtp_system_memory_consumers」動的管理ビューを使用してインメモリOLTPのメモリコンシューマーに関する情報を出力することで、インメモリOLTPのシステムオブジェクトが使用するメモリ消費量について確認できます。
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
memory_consumer_id | bigint | メモリコンシューマーの内部ID |
memory_consumer_type | int | メモリコンシューマーの種類を表す整数 「1」=LOOKASIDE:システムルックアサイドのメモリ使用量を追跡する 「2」=VARHEAP:可変長ヒープのメモリ使用量を追跡する 「4」=PGPOOL:I/O操作に使用されるシステムページプールのメモリ使用量を追跡する |
memory_consumer_type_desc | nvarchar(16) | memory_consumer_type列の説明 |
memory_consumer_desc | nvarchar(64) | メモリコンシューマーインスタンスの説明 VARHEAP: System heap - 汎用的な用途。現在、ガベージコレクション作業項目の割り当てにのみ使用される Lookaside heap - ルックアサイドリストに含まれる項目の数が事前に定義された上限(通常は約5000個の項目)に達した場合にルックアサイドで使用される PGPOOL: システム4Kページプール、システム64Kページプール、システム256Kページプールの3種類のサイズがある |
lookaside_id | bigint | スレッドローカルのルックアサイドメモリプロバイダーのID |
pagepool_id | bigint | スレッドローカルのページプールメモリプロバイダーのID |
allocated_bytes | bigint | このコンシューマーのために予約されたバイト数 |
used_bytes | bigint | このコンシューマーによって使用されているバイト数 VARHEAPメモリコンシューマーのみ適用される |
allocation_count | int | 割り当て数 |
partition_count | int | 内部使用のみ |
sizeclass_count | int | 内部使用のみ |
min_sizeclass | int | 内部使用のみ |
max_sizeclass | int | 内部使用のみ |
memory_consumer_address | varbinary | コンシューマーの内部アドレス |
動作例
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