Dockerの制限付き無償プラン廃止を巡り開発者が反発 廃止を撤回:「Docker Hubに投稿されたイメージが消える」と一時混乱
Dockerは、有償プランに一部制限を加えた無償プラン「Free Team Plan」の提供廃止に伴い、有償プランに移行するよう告知していたが、開発者やOSSコミュニティーの批判を受け「コミュニケーションやポリシーに間違いがあった」と謝罪した後、Free Team Planの廃止を撤回すると発表した。
Dockerは2023年3月24日(米国時間、以下同)、有償プランである「Docker Team Plan」に一部制限を加えた無償プラン「Free Team Plan」の廃止を撤回すると発表し、Free Team Planを今後も提供していくと明らかにした。
現在、Free Team Planを利用しているユーザーは、別の有償プランに移行する必要がなくなった。廃止の発表を受け別プランに移行したユーザーは、今後30日以内に全額返金を受けられるとしている。
Dockerは、OSSコミュニティーに対してFree Team Plan以上の恩恵が受けられるとして、「Docker-Sponsored Open Source Plogram」の利用を推奨している。
なぜ廃止の撤回に至ったのか
Dockerは2023年3月14日、Free Team Plan契約者に対してプランの廃止をメールで通知し、2023年4月14日までに有償プランにアップグレードしない場合、アカウントにひも付くリポジトリやDocker Hubに投稿したイメージなどのデータを全て削除すると警告していた。
多くのオープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティーは、同社が提供するDocker HubにDockerイメージを公開している。これらのDockerイメージが削除されるという懸念が広まり、利用者やOSSコミュニティーの間で混乱と反発が起きていた。
こうした声を受け、Dockerは3月16日に、Free Team Planの契約者のみが廃止の対象で全体の2%未満だとしつつ、不安を与えるような伝え方と進め方をしたと謝罪していた。その後、3月24日にFree Team Plan廃止を撤回すると発表した。
Dockerは今回の発表に関するQ&Aを公式サイトで公開しており、必要な場合はサポートまで連絡してほしいと呼びかけている。
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