国内クラウド市場の成長が大幅に鈍化、でも「今後の期待大」な理由：2027年の市場規模は13兆円超

IDC Japanは、国内クラウド市場の予測を発表した。2022年の市場規模は、対2021年比で37.8ポイント増の5兆8142億円。2022〜2027年の年間平均成長率は17.9％で、2027年の市場規模は13兆2571億円になる見込みだ。

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　IDC Japanは2023年6月27日、国内クラウド市場の予測を発表した。それによると、2022年の市場規模は対2021年比37.8ポイント増の5兆8142億円。2022〜2027年の年間平均成長率（CAGR）を17.9％と見ており、2027年の市場規模は13兆2571億円になると予測する。

国内クラウド市場　2022〜2027年の用途別売上額予測（提供：IDC Japan）

国内クラウド市場規模は従来型ITを超えている

　2022年の国内クラウド市場をけん引したのは、クラウドマイグレーション（従来型ITからクラウドへの移行）の増加だ。Webシステムや情報系システム、基幹系システムなど多様なシステムがクラウドマイグレーションの対象となっている。また、2022年3月以降急速に進んだ円安の影響や部材の高騰によって、製品やサービスの単価が上昇したことも市場拡大に寄与した。

　一方、それらの反動で2023年の国内クラウド市場は、2022年と比べて大幅に成長が鈍化する見込みだ。IDC Japanによると、国内クラウド市場が従来型ITを超える7兆円規模まで拡大したことも、成長鈍化の要因になっているという。

　ただ、DX（デジタルトランスフォーメーション）やデータ駆動型ビジネスに対する企業の関心は変わらず高い。現在の国内クラウド市場では、ITや業務の効率化を目的としたクラウドの導入／利用が中核となっているが、DXやデータ駆動型ビジネスに対する企業の投資は拡大しており、IDCは「これらが今後の国内クラウド市場をけん引する」と予測している。

　IDC Japanの松本 聡氏（Software ＆ Services　リサーチディレクター）は、「クラウドマイグレーションからDX／データ駆動型ビジネスへと企業のクラウドジャーニーが変化しつつある。ITサプライヤーは、それらを連携させる必要がある」と述べている。