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サービスメッシュの「Istio」がCNCFの卒業プロジェクトに卒業プロジェクトの総数は21に

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は、「Istio」プロジェクトの“卒業”を発表した。Istioは、クラウドネイティブアプリケーションのサービスを保護、接続、モニタリングする統一的かつ効率的な方法を提供する、オープンソースのサービスメッシュだ。

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 クラウドネイティブ関連のオープンソースソフトウェア(OSS)を管理する団体であるCloud Native Computing Foundation(CNCF)は2023年7月12日(米国時間)、「Istio」プロジェクトの“卒業”を発表した。Istioは、クラウドネイティブアプリケーションのサービスを保護、接続、モニタリングする統一的かつ効率的な方法を提供する、オープンソースのサービスメッシュだ。

 CNCFは、Linux Foundationの傘下団体だ。全てのCNCFプロジェクトは、「サンドボックス」「インキュベーション」「卒業」という3段階の成熟度で分類されている。

 プロジェクトが卒業段階に移行するには、プロジェクトのガバナンス、コミュニティーの広がり、コードコントリビューションの活性度、組織力、ベストプラクティスの実施、採用者リストの公開、セキュリティ監査の実施などの点で、成熟度が一定レベルに達し、CNCFの技術監督委員会(Technical Oversight Committee:TOC)において、投票によって圧倒的多数で承認される必要がある。

 現在、CNCFの卒業プロジェクトは、Istioを含めて21ある。最初の卒業プロジェクトはKubernetesだ。プロジェクトは無期限にインキュベーション段階にとどまることができるが、通常は2年以内に“卒業する”(卒業段階に移行する)ことが期待されている。

 Istioは、アプリケーションを書き換えることなく、ゼロトラストネットワーキング、ポリシー強制、トラフィック管理、ロードバランシング、モニタリングを実現できるようにする。サイドカーコンテナを用いたセキュリティ、トラフィックルーティング、可観測性といった最新のサービスメッシュパターンの先駆者だ。2022年には、補完的なアーキテクチャであるアンビエントメッシュ(サイドカーなしで同じメリットを提供する)を導入し、サービスメッシュ分野のイノベーションを引き続きけん引した。

 Istioは当初、GoogleとIBMによって開発された。Lyftの「Envoy」プロジェクトをベースに構築されている。Istioプロジェクトは現在、世界最大のネットワーキングベンダーやクラウド企業の多くを含む16社以上の従業員がメンテナとして参加している。エンドユーザーは、デジタルネイティブのスタートアップ(新興企業)から世界最大級の金融機関や通信事業者まで幅広く、eBay、T-Mobile、Airbnb、Salesforce.comといった企業の導入事例がある。Istioは、プルリクエスト(PR)数とマージされたPR数から見て、3番目に活発なCNCFプロジェクトだ。

 CNCFのCTO(最高技術責任者)を務めるクリス・アニズィック氏は、次のように述べている。

 「クラウドネイティブの導入がさまざまな業種で広がり、サービスメッシュの導入はここ数年、着実に増加している。Istioはこうした導入拡大に一役買っており、2022年の遅い時期にCNCFに参加して以来、このプロジェクトは急速に進展している。われわれは、Istioチームが新機能を追加し、サービスメッシュ体験を簡素化する中で、この継続的な成長を見守り、サポートしていくことを楽しみにしている」

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