TOP 20にランク入りした「Julia」とは――プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」に波乱:「Python」は首位を維持
TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2023月8月版では、初めて「Julia」がTOP 20にランク入りした。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2023年8月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。
TIOBEインデックスはプログラミング言語の人気度を示すランキングで、同社が毎月更新している。2023年8月のランキングでは「Python」が13.33%で首位を維持した。2位〜5位は「C」(11.41%)、「C++」(10.63%)、「Java」(10.33%)、「C#」(6.38%)だった。
TIOBE SoftwareのCEOであるポール・ジャンセン氏は「Juliaはデータサイエンスや数値計算の分野で活用されている。しかし、この分野ではPython、R、MATLABといった言語もある。Juliaが選ばれる理由はPythonよりも高速で、Rよりも大規模なシステムを構築するのに適しており、MATLABよりも安価だからだ。スピード、スケーラビリティ、オープンソースが、Juliaを魅力な選択肢にしている。一方、Juliaはより多くのプログラミングスキルを必要とする」と述べている。
ランキングの1位から20位はどうなっているのか
公開されたTIOBEインデックスの内容は次の通り。
21位以下のランキングは?
TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
4thDimension/4D、ABC、ActionScript、Algol、Alice、Apex、APL、ATLAS、Awk、bc、Boo、Bourneshell、Carbon、CL(OS/400)、CLIPS、Clojure、Cobra、Crystal、Curl、Elixir、Erlang、Groovy、Hack、Icon、Io、J、LabVIEW、LadderLogic、Maple、ML、NATURAL、Nim、OpenEdgeABL、PL/I、PostScript、PureData、Q、Racket、Ring、RPG、Smalltalk、Snap!、SPARK、SQR、Tcl、TOM、VHDL、Wolfram、X10、Zig
TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない
TIOBEインデックスは、世界の熟練エンジニアや学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。
なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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