日本企業の半数が「職場での生成AI利用」を歓迎していない BlackBerry:72%が「利用禁止」
BlackBerry Japanは職場での生成AIアプリケーションの利用に関する調査結果を発表した。それによると、職場での生成AIの禁止を実施あるいは検討している日本企業の割合は72%だった。
BlackBerry Japanは2023年9月7日、職場での生成AI(人工知能)アプリケーション利用に関する調査結果を発表した。この調査は米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、オランダ、日本、オーストラリアのIT意思決定者を対象に実施し、2000人から有効回答を得た。
データ侵害、知的財産へのリスク、誤った情報の拡散などが懸念材料
調査結果によると、職場で「ChatGPT」やその他の生成AIアプリケーションを禁止している(もしくは禁止を検討している)日本企業の割合は72%だった。また、「安全ではないアプリケーションが企業のIT環境にサイバーセキュリティ上の脅威をもたらすことを懸念している」と回答した人の割合は81%だった。
さらに、この「生成AIの使用禁止措置」が長期的なものになると回答した人の割合は58%だった。その背景を尋ねると「顧客や第三者のデータ侵害、知的財産へのリスク、誤った情報の拡散が禁止措置の判断を後押ししている」と回答した。
一方で、職場での生成AIの利点について認識している人もいる。具体的な利点としては「イノベーションを高める」(54%)、「創造力を強化する」(48%)、「効率が良くなる」(48%)などが挙がった。また、サイバーセキュリティの防御のために生成AIツールを使用することについては、77%が賛成の立場を示した。
BlackBerryのアジア太平洋地域サイバーセキュリティセールスエンジニアリングディレクター、Jonathan Jackson(ジョナサン・ジャクソン)氏は「職場での生成AIの禁止は、潜在的なビジネスから得られる利益の多くを打ち消してしまうことになりかねない。重要なのは、職場で使用されるアプリケーションの可視化、監視、管理のために適切なツールを導入することだ」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
企業は生成AIのセキュリティリスクとどう付き合うべきか、うっかり情報漏えいやプロンプトインジェクションへの対応方法とは
ChatGPTをきっかけとして、生成AIへの関心が急速な高まりを見せている。だがセキュリティリスクも考える必要がある。企業はリスクを制御しながら、生成AIをどう活用していくべきか、NRIセキュアによる説明をお届けする。生成AIは人間が思うほど賢くはないが、人間も同じだ
生成AIのチャットエンジンから一見知的な返答があったと書くと、専門家から「単なる余興」「予測アルゴリズムの産物にすぎない」などとたしなめられる。だが、人間の知性は生成AIと比べてはるかに高いレベルにあるという、われわれの認識は正しいのだろうか。生成AIでサイバー攻撃が「より迅速で高精度な攻撃」に進化 バラクーダがランサムウェアの攻撃パターンを調査
バラクーダネットワークスは、脅威レポート「バラクーダの注目する脅威:AI戦術の定着でランサムウェア攻撃の報告件数が倍増」を発表した。「サイバー犯罪者が生成AIを使用して、より迅速で精度の高い攻撃を行っていることを検証した」としている。