2025年「AIエージェント」は新しいマーケティングチャネルとなる? 働き方をどう変えるのか:Salesforce予測
Salesforceは、2025年に注目すべきトレンドとして、AIエージェントの未来に関する予測を発表した。リクエストやプロンプト、自動トリガーの背景情報を分析・理解し、次のステップを自律的に判断して実行するのがAIエージェントだとしている。
セールスフォース・ジャパン(Salesforce)は2024年12月12日、2025年に注目すべきトレンドとして、AI(人工知能)エージェントの未来に関する予測を発表した。同社は、動的に学習し、創造的な成果を生み出せるAIがさらに進化し、リクエストやプロンプト、自動トリガーの背景情報を分析、理解し、次のステップを自律的に判断して実行するのがAIエージェントだとしている。
Salesforceによると、労働者の77%が「自律型AI(エージェンティックAI)を将来信頼できるようになる」と考えているという(参考)。同社は、このデータは2025年までに企業が現実的にAIを活用して労働力を補強、拡大し、より良い顧客体験を提供できる可能性があることを示しているとしている。自律型AIは、自律性や目標志向性、意思決定能力を備えたシステムとして、多くの可能性をもたらす。自律型AIには、次のような潜在能力があるとみている。
現在、汎用(はんよう)的な生産性向上のためのパーソナルアシスタントとして活用されている生成AIがスペルチェックと同じくらい日常的になり、マルチエージェントの連携によって新製品の発売やマーケティングキャンペーンのシミュレーションといった高度な課題への対応が進むとみている。そして、消費者のAI活用が加速して企業にとって貴重な新しいマーケティングチャネルが生まれるという。
AIエージェントは働き方をどう変えるのか
Salesforceは、こうした未来を実現するには、信頼が不可欠だとしている。同社がそのために必要だと指摘するのは、説明機能やユーザーガイダンスを通じた信頼構築、技術の理解とアウトプット改善のためにフィードバックループを活用できる学習機会の提供、人間を中心としたAI設計への移行などだ。加えて、悪意のある犯罪者がAIエージェントを使って攻撃を仕掛けるリスクを避けるには、適応型のリアルタイム検出と対応をサポートするセキュリティエージェントが必要だとしている。
Salesforceは、AIエージェントが労働者の働き方を変えるとみている。同社の推定によると、従業員の労働時間の41%が、反復的で生産性の低い作業に費やされているという。AIエージェントがこうした反復作業を肩代わりすることで、収益につながる戦略的な関係構築や重要な業務に人間が集中できるようになる。そして同社は、2025年までに、分析によるインサイトの25%がAIによって当たり前の形で提供されると予測する。例えば、会議ツールに表示される推奨事項、メール作成中にAIエージェントがさりげなく提供するアドバイス、スマートデバイスに通知されるリアルタイムのインサイトなどだ。
このようにAIエージェントは、テクノロジーへのアクセス方法を再定義し、日常のビジネス課題に対応する。ユーザー主導のセッションでは会話形式で、組み込まれたワークフローでは自律的に動作する。これによって生産性を向上させ、より効率的でインテリジェントに業務を遂行できるようになるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Google Cloudの新AIエージェントツール、Google Agentspaceとは
Google Cloudが発表したAIエージェントツール「Google Agentspace」は、「NotebookLM」を拡張したもの。社内の情報を活用した日常作業を自動化できるという。具体的にはどういうものなのか。 - Microsoft 365 CopilotやCopilot StudioのAIエージェント構築機能はどれくらい簡単なのか
Microsoftは、「Microsoft 365 Copilot」や「Copilot Studio」を使って、一般ユーザーが生成AIエージェントを簡単に作れる機能を発表した。どんなエージェントをどれくらい簡単に作れるのかを、具体的に紹介する。 - AIエージェントのリスクやセキュリティ上の脅威を軽減する方法
企業は既に、AIエージェント機能を備えた製品の統合やカスタマイズを進めている。だが、AIエージェントはAIモデルやアプリケーションに関連するリスクに加えて、新たなリスクをもたらす。本稿では、AIエージェントがもたらすリスクやセキュリティ脅威について紹介する。