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Javaの”やらかし”でC#と人気逆転か 激変プログラミング言語人気ランキング「TIOBEインデックス」10月版

TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2023月10月版では、JavaとC#のレーティングが1.2ポイントのわずかな差に縮まっている。

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 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2023年10月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。

 TIOBEインデックスはプログラミング言語の人気度を示すランキングで、同社が毎月更新している。2023年10月のランキングでは「Python」が14.82%で首位を維持した。2位〜5位は「C」(12.08%)、「C++」(10.67%)、「Java」(8.92%)、「C#」(7.71%)だった。

 Python、C、C#は、それぞれ長期にわたって首位、2位、5位を占めている。C++は6月にJavaを抜いて3位となり、10月まで5カ月連続でこの順位を維持している。

 7月に過去最高の6位につけた「JavaScript」も、この順位を4カ月連続で維持した。また、9月にトップ20に返り咲いた「Kotlin」が、10月は18位に順位を上げた。一方、5月、7月、9月に過去最高の17位に入った「Rust」は、10月には20位に後退した。

Javaに迫ってきたC#

 10月のTIOBEインデックスを見ると、C#とJavaのレーティング差がかつてないほど縮まっている。2023年2月には両者の差は6.83ポイントだったが、その後縮小の一途をたどり、8月は3.29ポイント差、9月は2.18ポイント差、10月は1.21ポイント差となっている。このまま推移すれば、約2カ月後にはC#のレーティングがJavaを上回ることになる。

 こうした傾向の背景としては、Javaのレーティングが2023年3月に2023年で最高の13.56%に達した後、一貫して低下していることが挙げられる。Javaの10月のレーティングは前年同月比で3.92ポイント減となり、全プログラミング言語で最大の落ち込みを示した。

 これに対し、C#の10月のレーティングは、前年同月比で3.29ポイント増と全言語で最大の上昇幅だった。C#のレーティングは2023年4月に8.21%の2023年最高値をつけた以外は、2023年2月以降、6〜7%台を推移している。

 TIOBE SoftwareのCEOであるポール・ジャンセン氏は、次のように説明している。「この2つの言語は常に似た領域で使用されてきたため、20年以上にわたって競合関係にある。Javaの人気低下は主に、OracleがJava 8以降に有料ライセンスモデルを導入したことに起因する。MicrosoftはC#で逆のアプローチを取った。以前はC#は、商用ツールのVisual Studioの一部としてしか使用できなかった。今ではC#は無料でオープンソースであり、多くの開発者に受け入れられている。Java人気が陰ってきた理由は他にもある。まず、Javaの言語定義はここ数年、あまり変わっておらず、完全に互換性のある直接のライバルであるKotlinの方が使いやすく、無料だ」

ランキングの1位から20位はどうなっているのか

 公開されたTIOBEインデックスの1〜20位は次の通り。


TIOBEインデックス(2023年10月版)の1〜20位(提供:TIOBE Software)

TIOBEインデックス1〜10位の推移(提供:TIOBE Software)

21位以下のランキングは?

 TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。


TIOBEインデックス(2023年10月版)21〜50位(提供:TIOBE Software)

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

 4th Dimension/4D、ABC、ActionScript、Apex、APL、Ballerina、bc、CL (OS/400)、Clean、Clipper、CLIPS、Clojure、Crystal、Curl、Eiffel、Elixir、Erlang、Forth、Groovy、Hack、Icon、IDL、Io、J、J#、LabVIEW、Ladder Logic、LiveCode、ML、Modula-2、MQL5、NATURAL、Nim、OCaml、OpenEdge ABL、PL/I、PostScript、Pure Data、Q、Racket、Raku、REXX、RPG、Smalltalk、SPARK、SQR、Tcl、TOM、VHDL、Wolfram

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスは、世界の熟練エンジニアや学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

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