オンプレミスに残ったアプリケーションは今後どうする?どうなる? Gartnerが推奨する3つのステップ:「2027年までに企業アプリの半数はパブリッククラウド外で構築」
Gartnerは、2027年までに重要な企業アプリケーションの半数が集中型パブリッククラウド以外の場所で運用されるとの予測を発表した。パブリッククラウド以外でアプリケーションを配置する際のポイントとして3つのステップを推奨している。
Gartnerは2023年10月30日(米国時間)、2027年までに重要な企業アプリケーションの半数が集中型パブリッククラウド以外の場所で運用されるとの予測を発表した。
Gartnerのアナリストでバイスプレジデントのデニス・スミス氏は「企業はパブリッククラウドに移行していないワークロードの新たな配置場所を模索し始めている。これは全ワークロードの7割に相当する。だが、ベンダーやテクノロジーの数が増え、市場も重複しており、組織独自の状況やニーズに最適なインフラストラクチャを選定することは困難だ」と述べている。
企業ITの将来に影響を与える市場とは
Gartnerは、オンプレミスに残ったワークロード用のインフラサービスを求める企業には多くの選択肢があるとした上で、適切な配置戦略を検討するために、インフラと運用(I&O)のリーダーは次の3つのステップに従うことを推奨した。
1.インフラ要件の評価
多くの企業がビジネスクリティカルなアプリケーションや一般的なワークロードなど、既存のオンプレミスのワークロードに対して、クラウドに着想を得たソリューションを求めている。一方、こうしたソリューションは仮想化技術を活用していても、自動化やセルフサービス機能が限定されており、手作業による運用管理が必要になるとした。
Gartnerは、パブリッククラウドに触発されてオンプレミス環境をパブリッククラウドのように拡張しようとする企業は、共通のインフラやAPIをオンプレミス環境とパブリッククラウドの両方で展開できるよう要件を満たしていく必要があるとした。
2.ハイブリッド機能とCIPSの採用
パブリッククラウドの外にあるワークロードをサポートし続けるニーズは今後も続く。将来にわたってクラウドと非クラウドが混在したハイブリッドインフラおよび機能が必要になるという。
「多くのパブリッククラウドはイノベーション、俊敏性、スケーラビリティといったメリットを提供するが、パブリッククラウドプロバイダーが選んだロケーション外で展開される場合、有用性は限定されることもある。企業は常にハイブリッドなインフラを求めることになる」(スミス氏)
Gartnerは、変化を続けるクラウドインフラとプラットフォームサービス(CIPS)市場は、企業ITの将来に長期的な影響を及ぼすとした上で、CIPS市場は下記の4つの市場に進化を続けているとした。
- 分散型ハイブリッドインフラ(DHI):従来のオンプレミスインフラの課題に対処し、クラウド型の運用モデルの利点を実現するもので、高い一貫性と可用性を提供する
- 戦略的クラウドプラットフォームサービス(SCPS):クラウドサービスの全領域をカバーする。企業のレガシーアプリケーションのモダナイズも含まれる
- コンテナ管理:Kubernetesプラットフォーム、クラスタ/フリート管理、サーバレスオファリングを含む、コンテナ管理サービスを提供する
- DevOpsプラットフォーム:CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)を支援するためのソリューションを含む
これらの市場は全て、サーバ仮想化、インフラ消費サービス(ICS)、データセンター・インフラ(DCI)関連市場の外に存在しているという。
3. 適切なパートナーとソリューションの選択
Gartnerは、I&Oのリーダーは「インサイドアウトアプローチ」か「アウトサイドインアプローチ」のどちらを好むベンダーにするか選ぶ必要があるとした。
インサイドアウト型アプローチには、クラウドサービスを追加した従来のデータセンターベンダーが含まれる。アウトサイドイン型アプローチには、オンプレミスサービスを提供するクラウドプロバイダーが含まれる。クラウドオンリーまたはクラウドファーストのアプローチ(SCPS市場)、クラウドの採用を控えめにするか(DHI市場)も重要になると、Gartnerは指摘している。
「I&Oのリーダーは、ユースケースを徹底的に分析し、必要なコアとなる特性と能力を特定することで正しいインフラを選択できる。3つのステップは、要件に合致する適切な技術とベンダーを選ぶのに役立つだろう」(スミス氏)
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