個人事業主にぴったり? AI使用のWebサイトビルダー「Solo」をMozillaが発表:AIを使ってコンテンツを生成、カスタマイズ可能に
フリーランサーや個人事業主はビジネスの運用よりも、ツールのセットアップに多大な時間を費やしている。MozillaはAIを使ってWebサイトを作成するツール「Solo」を発表した。
Mozillaは2023年12月12日(米国時間)、フリーランサーや個人事業主向けのAI(人工知能)を使ったWebサイトビルダーサービス「Solo」を発表した。米国では労働者の39%がフリーランサーだ。リモートワークやクリエイターエコノミーの台頭により、フリーランスはこれまで以上に働きやすくなっているが、同団体によるとフリーランサーや個人事業主はビジネスの運用よりも、ツールのセットアップに多大な時間を費やしているという。
ローカルビジネスレビューサイトである「Yelp」によると、企業の約3分の1がWebサイトを持っていない。しかし、ビジネスにとってWebサイトの構築は必要だ。Soloは個人事業主がビジネスサイトを作成するための基本的なツールを提供する。
Webサイト制作にAIを選ぶ理由
Webサイト制作はいまだに難しい。テンプレートを選ぶのは簡単だが、画像を用意し、コンテンツを作成して視覚に訴えるサイトを作るのは本当に時間がかかる。問い合わせフォームの設置などが加わると、さらに難しくなり費用もかさむ。
Mozillaの調査によると、個人事業主の大半はWebサイト構築を技術的な協力者に頼っている。技術的な協力者を持たない個人事業主は、Webサイト作成ツールを使用してみるものの、画像の用意やコンテンツ作成が難し過ぎるために断念してしまうことが多い。
AIを使ってサイトのコンテンツを生成し、画像を用意すれば、個人事業主はそれを独自のスタイルにカスタマイズできる。Soloは、既存のYelpやその他のページをスクレイピングすることも可能だ。
Soloを支える技術
Mozillaは、SoloへAIを導入する際に使用した技術的な内容について以下のように紹介している。
適切なプロンプトの決定
使用するプロンプトは、生成されるコンテンツに大きな影響を与える。「分かりきった言葉を付け加える」「自分にとっての結果の大切さをAIに伝える」「AIを褒める」などによって、結果が変わることがある。プロンプトによる影響を調べるために「Fiddler」のようなツールを幾つか試したが、各結果を見て定性的にスコアをつける作業は、小さなチームには負担が大き過ぎた。
プロンプトの数
開発当初はプロンプト1つでWebサイトの全てのコンテンツを生成することを試みたが、うまくいかなかったという。AIが全てのリクエストに応えられなかったり、時間がかかり過ぎたりすることが多かったためだ。そのため、サイトの各部分を、一連の小さなプロンプトとして並行して生成している。
既存コンテンツのトリミング
スクレイピングされたコンテンツは、非常に長くなりがちだが、必要なのは一部だということがよくある。例えば、既存のYelpページには広告などが含まれている可能性がある。そのため、さまざまなスクレイパーやAIを試して、無関係なコンテンツやHTMLを取り除いた。適切なプロンプトとスクレイピングされたコンテンツを積極的にトリミングすることでAIがうまく機能し、関連するレビューなどを新しいWebサイトに組み込んだ。
関数の利用による構造化された出力の生成
生成されたWebサイトには見出しや本文などがある。ときには、AIの返す文が多過ぎたり、開発者の要求を無視したりすることがあった。これに対処するため、関数機能の使用により構造化された出力を生成しているという。
不適切なコンテンツの取り扱い
今後AIに不適切なコンテンツ(NSFW:Not Safe for Work)フィルターの適用を予定している。
最適な画像の選択
AIのWebサイト生成で多くを占めるのは画像の準備だ。画像はフリー写真を紹介するWebサイト「Unsplash」を使用して選んでおり、Unsplashを検索する際にどのようなキーワードやフレーズを使えばいいかをAIに教えてもらう。これには複数のプロンプトをつなげて使う。最初のプロンプトで、サイトの該当セクションのテキストをリクエストし、2番目のプロンプトで、こうしたテキストに基づきUnsplashを検索するためのキーワードをリクエストしている。
「副業やビジネスをしている場合、生成AIを使って遊んでみたい場合、または単に美しくデザインされたAI生成サイトを作成したい場合は、Soloを試してみてほしい」(Mozilla)
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