約7割の企業が「学生の生成AI利用」に肯定的 ベネッセ i-キャリアが新卒採用の実態調査結果を発表:一方、採用側での利用は11.4%にとどまる
ベネッセ i-キャリアは、新卒採用における生成AIの利用実態に関する調査の結果を発表した。新卒採用業務に「ChatGPT」などの生成AIを利用している企業の割合は11.4%。約7割の企業が学生の生成AI利用について肯定的だった。
ベネッセ i-キャリアは2024年1月24日、新卒採用における生成AI(人工知能)の利用実態に関する調査の結果を発表した。調査は同社が運営する「doda新卒エージェント」と「dodaキャンパス」の顧客企業を対象に実施した。それによると、約7割の企業が学生の生成AI利用について肯定的だった。
「採用基準の言語化、標準化」に効果あり
調査結果によると、新卒採用業務に「ChatGPT」などの生成AIを利用している企業の割合は11.4%。具体的な利用場面の上位は、「スカウト文面の作成」(33.3%)や「募集要項の作成」(30.3%)だった。生成AIを利用することで「プラスの影響があった」と回答した企業の割合は65.0%。その理由の上位には「面談、面接などの対面コミュニケーションにかけられる時間が増えた」(35.0%)や「採用基準の言語化、標準化に役立った」(25.0%)が挙がった。
学生の生成AIの利用については、「積極的に利用するべき」と回答した企業の割合は6.3%、「必要に応じて利用しても問題ない」は64.2%となっており、約7割の企業が学生の生成AI利用に肯定的だった。
学生の生成AI利用拡大に伴い、企業として何か対応するかどうか聞いたところ、47.7%が「対応の予定はない」と回答した。対応を検討している企業では、「面接など対面形式の選考に重きを置く」(17.0%)や「対応を検討しているが、具体的に決まっていない」(13.8%)といった回答が上位を占めた。
なお、学生が就職活動に生成AIを利用すべきでないと回答した企業の理由では「生成AIに頼らず選考に臨んでほしいと考えるため」が52.1%を占めた。
dodaキャンパスの編集長を務める岡本信也氏は、「就職活動での生成AI利用は業界、職種研究や企業分析で利用するのが望ましいと考える企業が多いことが明らかになった。学生は生成AI利用の有無にかかわらず、収集した情報を自身の就職活動にどのように生かしていくかが、今後ますます重要になってくるだろう」と述べている。
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